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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第80章 進路指導

相変わらず こっちのペースを 読まない
強引なやり口 なのに
その手は とても 優しくて…

甘くて…

突き放せなくて  困る。


「お前なぁ…!  学校で…  俺の前で
イチャつくなよ!」

「ヒトのカノジョ 勝手に 連れ出したのは
ソッチじゃん!
わざわざ 学校で呼びつけるなんて 何の用?」

ギラッと 紫優くんに 睨まれて
お兄ちゃんは ビクつく。

「詩史の進路が出てない って
緒方先生が 心配してた んだよ!」

「はぁ〜? ソッチこそ 彼女絡みじゃん!」

紫優くんの 言葉に…
えっ?! と 驚く。

彼女?!

「学校で 言うなよぉ!」

シーッ と お兄ちゃんが 小声で 慌てた。

「え… 花織ちゃんと 付き合ってたの?」

「…まぁ…」

私の確認に お兄ちゃんは 顔を 覆って
耳まで 真っ赤にする。

コレは…
「だいぶ 惚れて るんだね…」

「そうなんだよ♡
出会いは 大学のサークル♡
それまで 女子に見向きも しなかった
バスケ野郎が 先輩の笑顔に 恋しちゃって〜♡
追いかけて こんなトコまで…」

「わわわ… しぅ… ヤめて!」

ぺらぺらと 説明を始めた 紫優くんの口を
お兄ちゃんは 慌てて 塞ぐ。


確かに 花織ちゃんの笑顔は 可愛い。

でも…
お兄ちゃん は 甘えてくる妹系(つまり私!)か
キッチリした お姉様系(つまり 夏葉さん!)
が タイプかと 思っていたから 意外だ…!

花織ちゃんは 素朴で 一生懸命で…
どちらかというと あまり 目立つタイプでは
無い。

気がつく人は 気がつく 癒し系…!

ヤダ〜♡ お兄ちゃん♡ よく見てるぅ~♡
と ニヤケが 止まらない。

「詩史… 面白がってるだろ…!」

お兄ちゃんが ジロリと 睨んでくるが
私は 好感しか 無い!

「そんな事ないよ!
寧ろ 好感度 爆上がりだよ!」

「で? 詩史の進路は? 国立栄養大学?」

もっと 話を 聞きたかったのに…
紫優くんに 話を 切られた。

同時に 進路を 言い当てられて 驚く。

最初は 地元の方に 行こうか と
話していたのに…
どこまで エスパーなんだ…と
訝しげな 目を 向ける。

「…何で 分かったの?」

「俺の好き放題って 聞こえたから♪」

「ねぇ…
さっきから 話が 分からないんだけど
好き放題 って何?」

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