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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第82章 桜咲く 春

季節は いつの間にか ぐんぐん進んでいた。

淡々と 勉強を進めて…
いつの間にか 定期試験 共通試験…と 熟し、
紫優くんに 声を掛けられるまで
受験が終わった事に 気がつかなかった。

こんなに 淡々と 勉強の事しか 考えずに
過ごして来れたのは
紫優くんのお陰である事は 言うまでもない。

睡眠 食事
メンタルケア(ごにょごにょ… 恥)
試験スケジュール…と
全てを管理 してくれた。
風邪もひかずに 全てを 乗り越えた。

感謝! すべき所 なのだが…
大きな借りを 作った様で
素直に 感謝出来ない。

ほら… 紫優くんの事だからさ? 
『色々してあげたんたから』 とか 言って
恥ずかしい事を 強要して 来そうじゃない?

全てが終わって ホッと 落ち着く頃に
そんな 恐怖を 感じ始めていた。


春から住むお部屋も 探さないと…

勉強が終わったら 終わったで
入学準備が 忙しい…!

なんて 思っていたら…


「住む部屋? なら…
俺と翔さんで もう 決めたよ?」

当たり前の様に 紫優くんに 告げられて
はぁ?! と 怒る。

「何で 勝手に 決めちゃったのよ!!!」

折角… 親元(監視)を離れて
好き勝手に 住む所を 決められる♪
と 楽しみにしていたのに!!!!!(本音)

「紫優くんと 住むお部屋…
一緒に 決めたかったのに… (嘘)」

めそめそと 悲しみに暮れる 演技をする。

ほれほれ 私の悲しみに
罪悪感を 覚えるが良い!!!


「… 相変わらず 演技が 下手だな。」

紫優くんは ひとことで
私の完璧な演技を 一蹴した。

「な…っ! 演技じゃないもん!!!」

思わず カッとなって… 食ってかかる が…

「詩史…」

名前を呼ばれて
ピクッと 反応する。


「おいで? 詩史。」

両手を広げて 紫優くんが 私を 誘う。

「…っ」

紫優くんから 醸し出される 飼い主様オーラ
(甘い雰囲気)を前に
私の 甘えた本能が 疼く。


その胸に 擦り付いて
その手に 撫でられたい…

うずうず…


私の様子に
にこっと 微笑んで 首を傾げ 誘ってくる
紫優くん。


あぁ… むりだ…
抵抗 出来るわけが ない…


紫優くんの 百戦錬磨の微笑みに 完敗する。

おずおずと 一歩 前に 進んで…
紫優くんの腕に 手を 掛けた。

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