無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

私達が退院したのは金曜日で…
登校は4日ぶりになる。


「紫優くん！　面倒だから…　その…
今まで通りにね？！」

付き合い始めたと　バレたら　ファンの子達の
反応が面倒だ…。
あえて　公表することなく、　平穏無事に　
過ごしたい　と願う。


「別に　いいけど…　すぐバレちゃうんじゃない？　特に詩史は隠し事が出来ないから…」

「大丈夫よ！　紫優くんに　話しかけなきゃ
いいんでしょ？」


ところが…

３日後…


「詩史ちゃん…　紫優と付き合いだしたの…？」

悠理くんに聞かれて…

「はぁ？！」

慌てた。


「…相変わらず…　嘘がつけないね、　詩史ちゃん。」


悠理くんは　私の反応に　苦笑いをする。
それから　
はぁ…　と溜息をついた。


「…ねぇ。　詩史ちゃんって　
本当に　紫優が　好き？」

「…ソレが　よくわからないんだよね…。」

「何それ…。」　

悠理くんが　即座に突っ込んできた。


「俺　相手が紫優なら　諦めたくないな…。」

「え…　？」


悠理くんの　真剣な眼に　ドキッとする。


「だって　紫優は　詩史ちゃんを　振り回すだろ？　いつも動揺させる様な事を　ワザとして…
俺と居た方が…　詩史ちゃんだって　いつも笑ってるじゃないか…！」

「…　確かに…！」


悠理くんの言葉を
すごい　納得して　しまった。


悠理くんは　私の言葉に　ため息をついた。


「しっかりして　詩史ちゃん！
詩史ちゃんは　紫優なんかに　振り回される様な
子じゃないでしょ！
よく　考えて…　
俺だったら…　もっと大事にするよ…？」


悠理くんの手が　動いて　私の頬に　触れようと
してくる。


『誰にも 触らせたく ないな…！』



突然　紫優くんの　言葉を　思い出して…
思わず　目を瞑って　体を　強張らせた。


「…！　あ…　ごめん…」


悠理くんは　即座に　私の反応に気がついて
手を　止めた。


「ごめんね　詩史ちゃん…」

悠理くんは　オロオロしている。


紫優くんだったら　無理矢理　触れてくる。

悠理くんは…


「悠理くんは　優しいね…。」


私の言葉に　悠理くんは　少しホッとした顔を
見せた。