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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第13章 騎士 ナイト

「俺は 詩史ちゃんが 悲しむ事は したくない。 だから… 紫優なんてやめて 俺にしなよ!」

悠理くんの 言葉に 困惑する。

「悠理くん… ?」

「この前 階段から落ちたの… 
アレだって 紫優のファンの 逆恨みなんだろ?」

悠理くんに 指摘されて ドキッとする。

約1週間前… 
私は 紫優くんを好きな子に 階段から 
落とされた。


「みんな ウワサしてるよ。 運動神経の良い
詩史ちゃんが 階段から落ちるなんて… 
紫優のファンに 突き飛ばされたんだ、って。」


悠理くんの 言葉を 聞きながら 
私は 気持ちが悪くなってきて…

息が苦しい…  

息が しにくい…


ふら…っ
体が 揺れる…

「詩史ちゃん?!」

悠理くんが 抱き留めてくれて その場に 座らせてくれた。

「ごめ… 悠理 くん…」

私が謝ると 悠理くんは ぎゅっと 力を込めて
抱きしめた。

「こんなの… 見過ごせる訳 ない…!」

私の体調が 安定するまで 悠理くんは 私を
抱きしめて くれていた。


遠くで チャイムが聞こえて
次の 授業が始まって しまった。

「ごめん… 悠理くん 授業… 」

「詩史ちゃんの方が 大事だ。
気にする事ない…!」

悠理くんが 私の 髪を 撫でる。


私は…
罪悪感しか ない。

どうしよう。 こんな所… 
紫優くんに 見られたら…!
紫優くんが  傷つく… 



体調が落ち着いて 次の授業のタイミングで
教室に戻った。


「あ〜! 大木、戻って来た!
ドコ行ってたんだよ~!」

クラスに入るなり 悠理くんは クラスメイトに
声を掛けられていた。

「ちょっとね…」

「まさか 倉田さんと 一緒だった?!
2人で居ないから 怪しい〜って…」

「うん。 一緒だったよ。」

悠理くんの言葉に クラス中がどよめいた。

「マジで〜?! まさか 付き合ってるとか?!」

茶化すクラスメイト達の 奇異な目が嫌だ!

私が 否定しようと前に出ると 
悠理くんに 手で制された。

「…そうだよ。」

「… ?!!! 」

悠理くんの言葉に 驚く。
え… 肯定 した…?

クラス中もパニック状態になった。

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