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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第14章 寂しがる猫

にゃー 

なんで? なんで ご主人様は 別の人に
私を 預けちゃうの?

にゃー

寂しくて… 泣きたくなっちゃう…。








… 悲しい夢を 見た…。

猫が… 大好きなご主人様から 離されちゃう夢…

涙を拭って ベッドから 起き上がる。


顔を洗って 制服に着替えて…
いつもの朝のルーティンをこなす。


「行ってきます…」
玄関を出ると


紫優くんが 待ち構えていた。


「おはよう! 詩史! 一緒に学校に行こう?」

爽やかな笑顔で 朝の挨拶をする 紫優くんを
怪訝な顔で睨み、 差し出された手を 無視して
素通りした。 


「… 泣き腫らした目…」

すれ違い際 ぽそっと言われて…
カチン☆ 紫優くんを じっとり睨む。

誰の せいだと 思ってるのよ~ 💢


紫優くんは 心なしか 嬉しそうに 
頬を赤くした。


「俺が 詩史を手放す訳 無い…。
犯人がわかるまで… 少し 辛抱して?」

「だから って…」

言いかけたところで 
紫優くんが 頬に触れてくる。

私は ほぼ 無意識にその手に 摺りついた。


ハッ…!

一種の状況反射的なモノだったが…

自分から甘えちゃって…  恥ずかしい…!!!


顔を赤くしながら 紫優くんの手を 
乱暴に 振り払った。


「ふふっ♪ 猫みたい♡ 
すっかり 懐いてきたね♡」

紫優くんが 満足そうに 笑う。


「学校の間だけ 悠理に預けるけど…
いいコにしておくんだよ?」

「だから…! なんで わざわざ悠理くんに…?
私と 近づけたいの?」

「まさか! 詩史を 心配してるんだよ。
俺と居たら 危ないかもしれない…。
それに… 

詩史は 俺が離れようとすると
追いかけて来て くれるでしょ?」


紫優くんの言葉に… カチン☆


紫優くんが わざわざ私を悠理くんに預ける 
なんて どうせ そんな事だろうとは 思っていた。


「またそうやって 人を操作しようとする! 
悪趣味! そういうの 本当に嫌!
もう! 悠理くんを 好きになろうかな?
優しいし…!」

紫優くんは 怒る私を 愛しそうに 見つめる。


心にも無い事を 言っているのが バレてる。


…っ 悔しい…!

紫優くんの言う通りで… 

紫優くんが 離れようとすると 不安になって…

紫優くんを 追いかけてしまう…。

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