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足早に去ったら　負けた　気がする。

プライドにかけて　動揺を抑える。



ところが…
一向に　動揺が　治まらない。

紫優くんから　遠ざかるにつれて
私の体は　逆に　熱を　帯びていく。

紫優くんの触れた　全ての場所が…　
煩いくらいに　紫優くんの存在を　主張する。

「…っ！」

自分自身を抱きしめて　熱を鎮める努力をするが…


紫優くんの　温もりを　刻まれた…！




思い　知らされる。

目を瞑ると　簡単に　思い出す。

紫優くんの唇と　舌の　感触…
抱きしめる腕　
優しく触れてくる　指と　大きな手
紫優くんの　匂いと　温もり…


「…っ！」

体の熱が　引かない…
何故だろう…　足の間が疼いて…？

落ちつかない…


「…　早く…　　　帰ろう…！」

自分の体に　言い聞かせるように　呟いて

私は　ふらふらと　立ち上がった。