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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第3章 認めない

家に帰ってからも
ふわふわと 落ちつかない…

私は心を落ち着かせる為に 料理を作りを始める。

「どうしたの 詩史…。顔が赤いわよ。熱?」

お母さんがおでこに手を当ててくる。

「…っ 紫優くんに キスされた…」

『ええ〜〜〜?!!!!』

お母さんと、リビングで寛いでいたお父さんの
声が重なる。

「紫優のヤツ…!」

娘の突然の告白に 激怒してくれる
と、 思いきや…

「そうか そうか! 念願叶ったんだな、紫優…☆ 付き合い出したのか?」

お父さんは 私の予想外の反応をした。

「付き合ってない!
っていうか、 1人娘の唇が奪われたのよ?!
怒るとかないの?!」

私の喚きに 両親は 目をパチクリとする。

「え〜… だって… 紫優くんでしょ?
ずっと詩史が好きだったし〜…」

「そうそう! あれだけ一途だと 応援したく
なっちゃうよな!」


両親は まさかの 紫優くん勢だった。

「突然されたのよ!? 無理矢理よ?!」


私は両親に 被害を一生懸命 訴える が、

「まぁ… 紫優のする事だからなぁ…
何か事情があったか… 高1だしな…。
そういう時期だろ…。」

「寧ろ良かったじゃないの♪ イケメンの紫優くんと キス出来て〜♡ 学校で、モテモテなんでしょ?」

両親は きゃぴきゃぴと はしゃいでいた。

くら…っ 立ち眩みを覚える。

「お父さん!! 娘を奪われた!とかないの?!」

よく言うじゃないの、娘はパパの恋人〜♡的な!

「え〜、ナイナイ! 紫優なら全く問題ナイな!
今だって息子みたいなモンだし♪」

お父さんの言葉に 驚愕する。

なんで そんなに 紫優くんは信頼が厚いの…?!

確かに お父さんと紫優くんは 大の仲良しだ。

幼稚園の時、紫優くんの天使の様な笑顔に心を射抜かれてから お父さんは紫優くんにデレデレだった。

男の子が欲しかったお父さんに、甘え上手な紫優くん。

2人で出掛ける事もあるし、誕生日をプレゼントし合う仲だ。

でもまさか 娘のファーストキスが無理矢理奪われたんだから… そこは…怒って欲しかった…! 
と、落胆する。


もう この両親に何を話しても 私の怒りは
通じまい…。

私は 諦めて口を噤み、 怒りを 料理にぶつける。


炊き込みご飯、味噌汁、煮物、だし巻き卵に
照焼きチキン…

無心で 没頭する。

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