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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第21章 愛茉ちゃん

「詩史が 騒がなきゃ 注目されないよ…?」


私は顔を背けて 抵抗する。


「詩史…」


ビクッ!

紫優くんの低い声に 怯える。
その隙に 顎を掬われて…
私は とうとう 紫優くんに 捕まった。


「ん… ふぁ…っ」

柔らかな舌と唇が 執拗に 私を 追い掛ける。


「んんっ…!」

ジュルッと 舌を吸われて…
ゾクゾクしちゃう…

 
「いい度胸だね。 後でお仕置きだよ?」 

紫優くんの低い声が…  子宮に響く。

顔を赤くして… 
大人しく 紫優くんの 腕に 収まった。
紫優くんの体温と 匂いに 包まれると
何も 考えられない…


ああ ヤバイ…
私 ダメだ…

紫優くんに 抵抗できない…


飼い主様の腕の中は 気持ちが良くて…
蕩けちゃうの…





「愛茉…
詩史を 階段に突き飛ばした だろ…?」

紫優くんは いきなり確信に迫る。


「何それ!知らないわよ! 
証拠でもあるの?!」


案の定 愛茉ちゃんは しらばくれた。


「そんな事より! なんで悠理先輩といるのよ!!!
付き合ってるの?!!」

愛茉ちゃんが 私に 詰め寄る。


「そんな訳 ないだろ?」


紫優くんが 庇う様に 私と愛茉ちゃんの間に
入って 否定した。


「付き合ってないなら… 
なんで一緒に居るのよ!!! 」


「???」

愛茉ちゃんの 怒っている理由が 
理解出来なかった。


…えーっと…?


「なんで みんな 詩史ちゃんばっかり…!」

「あ…っ!!!」

愛茉ちゃんの呟きに  
突然 悠理くんが 声を上げた。

口を押えて 青ざめる。


「まさか… 俺が『詩史ちゃんが好き』って
言ったから 突き飛ばしたの…!?」

「そうよ。 面白くないんだもの…!」


愛茉ちゃんの 開き直りに 呆れた。


「ごめん! 詩史ちゃん…!
俺のせいだ…!」

悠理くんが 顔を青ざめさせ 謝ってくるが

悠理くんのせい ではない事くらい 解ってる。

頭を横に振って 悠理くんの謝罪は違う と
否定する。

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