無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「早く 飽きられて 捨てられればいいのよ。」

愛茉ちゃんの　強い言葉に　怒りを越して
悲しさを　覚える。

紫優くんへの　報われない想い　は
私に　向かってくる。

気持ちは　わかるけど…　
だからって　何でこんな　一方的な恨みを　
ぶつけられなきゃ　ならないの…？

今までも…
困って　泣く私を　皆は　「当然の報い」だと
喜んでた。

私は　あの時みたいには　弱くない。
だから　こんな理不尽を　許すつもりもない。


「詩史ちゃんを　突き飛ばしたい子なんて　
いっぱいいるわよ〜。」

愛茉ちゃんの言葉に　プチッ　と切れた。


「皆の代わりに　突き飛ばした…　とでも
言いたいの？　突き飛ばされて　当然…？」

「そんな事、言ってないわ…！
でも　紫優が大切にしている詩史ちゃん　を
ちょっとは　傷付けてみたかったのよね。」


「…ふざけるな…」
小さく　吐き捨てる。


「詩史ちゃんは　良かったじゃない！
紫優に　想って貰えて　付き合えるんだから！
周囲は　理解に苦しむケド…
精々　皆の恨みを買わない様に　脅えて
過ごすのね…！」


私は　耐えられなくなって…

近くの壁を　叩いた。

ドンッ…！　と　凄い音が　して…
一瞬　注目が集まった。


「…っ　!!?!」
愛茉ちゃんが　青ざめた顔で　私を見る。


「ねぇ…　私が　困るのが　悲しむのが
そんなに　面白いの？
じゃあ　入院させて…　　
気分は　さぞかし　晴れやか？」


「は…？　な…？」

私の豹変に　愛茉ちゃんは　萎縮する。


「言い返せない大人しい子　だとでも　
思ってた？
陰で　姑息な事　してんじゃないわよ。
ケンカなら　いつでも　買ってあげるわよ？」

「…っ　!!!　全っ然　わかんない！！
こんな　暴力女…！　どこがいいって言うのよ！」

「暴力なんて　振るってないわよ…？
お望みなら　相手してあげるわ！　１対１でね。　
卑怯で姑息でclearじゃないのは　大嫌いなの！」


「…っ！」

愛茉ちゃんは　唇を　震わせながら　鞄を抱くと
その場から　逃げた。



ブブッと　スマホが鳴って…
紫優くんから　心配するメッセージが　届いた。


理不尽さに　涙など　流さない…！

感情を瞬冷させ　紫優くんの元へと　歩き出した。