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止まない雨はない

第4章 Bar Lucas

離れて止まっていた時を埋めるように、タカシはルカの服を乱暴に剥いだ。

抑えきれなくなった情熱は、冷ます術が見つからなかった。

男ってのはいつまでたってもガキだ…。

そんなふうに苦笑いをして、ネオンの中に二人、紛れて入ったのがこのホテルだった。

「…あいかわらず、ルカは女みたいに華奢だねぇ…。たまには運動しないと、ダメじゃない?」

からかいながらくちづけを落とすタカシの首にルカは腕をまわす。

「…タカシさんほど暇じゃないですからね、オレ…」

「…言ってくれるじゃない?」

情熱のままに、お互いを望んだ。
止まっていた時計の針が、またゆっくりと時を刻みはじめる。

震えるような快感にルカが溜息をついた。

「…早く、あなたと交わりたいんです、タカシ…さん。もう待つのは嫌なんです」

「…可愛いこと言ってくれちゃって…。
そんなこと言われると…オレも我慢出来なくなるんだけど…」

痛いぐらいがちょうどいい。傷つくぐらいが、現実的でいい。

カタチのある愛が欲しいから。

あなたに抱かれるという、証が欲しいから。

ルカが目を閉じると、タカシがゆっくりと身体のなかに入ってきた。
その確かで温かな感触に、身体が震えた。
変らない永遠の愛で、
自分が常に追いかけていないと消えてしまうような人だけれど、


オレ………もう、あなたと離れないです、
タカシさん…。


指と指がしっかりと絡み合う。
確かな強さで

だから


もう…離れないで。


オレから逃げたりしないで。


オレを想ってくれてるって、解ってるのに


あなたはオレの為だといっていつも姿を隠してしまう…。


「……………ッ!!」


「ルカ……イイの?」

「………タカシ…さん、オレ…」

上気した頬で幸せそうな笑みを浮かべ、ルカはタカシの動きを誘った。

「………一緒に……イこう…」


抑えていた快楽のうねりが、ふたりを濁流のように飲み込んでいった。
気の利いた言葉なんて見つからないから、オレたちの想いは、器用とは言えないけれど…。


「……ルカ、オレ…こんな男だけど…」


乱れた息で見つめたタカシはルカの頬を両手で包んだ。

「帰ってきてくれ、ルカ…。一緒に……暮らそう」

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