止まない雨はない
第4章 Bar Lucas
「そうなの?オレは覚えてるよ。“あなたが顔の傷がどうこうってこだわるなら、オレも傷の一つや二つ、どうってことないです。
あなたを失って、心がズタズタになるよりはよっぽどマシですから”………だったかな?愛の告白にしては、過激じゃない?」
「…やめてくださいよ、恥ずかしいですから」
「あの後、病院で形成の先生にキレイに治してやるから…って
追い掛け回されていたって聞いたよ?なのに、未だに治してないなんて…。ルカはどんだけおバカさんな医者なのかねぇ…?」
「…顔の傷なんて、眼科医の仕事のジャマになんてならないですから。
全然平気ですよ…」
時間を感じさせないゆったりとした、大人の二人だった。
一緒にいることがいつも自然で、かけがえのなかった日々がここで蘇る。
「…だからかな。オレ、ルカのこと、忘れたくても、ずっとここン中にあって…」
トントン、と指で自分の胸を叩き、タカシは苦笑した。
「いつの間にか、自分より大切な存在になっちゃったもんね…」
「…タカシさん、相変わらずですね。そうやって、オレが嬉しくなるようなことをたくさん言ってくれるのに、
抱きしめるとすり抜けちゃうんだ、あなたって人は…」
「…アンタの出世にはオレは邪魔なだけだよ、ルカ」
「タカシさん、オレ、出世の邪魔だなんていつ言いました?」
「…お前はそんなこと、死んでも言わないよ。
だが、あのとき、大学病院の教授から結婚話をもらっていたのを隠してただろう?」
「…言わなかったのは、あの見合い話、最初から断るつもりでしたから。
オレにはタカシさん以外の人間と恋愛なんて…想像すらできないから」
「だから負け組なんだよ、ルカは!オレみたいな根無し草のどこがイイんだか?」
「…全部です。いけませんか?そういう言い方は」
ルカがタカシの顔を覗きこむと、彼の顔もルカに近づいた。
そのままゆっくりと唇が合わさって…キスはほろ苦い、カフェの味だった。
あなたを失って、心がズタズタになるよりはよっぽどマシですから”………だったかな?愛の告白にしては、過激じゃない?」
「…やめてくださいよ、恥ずかしいですから」
「あの後、病院で形成の先生にキレイに治してやるから…って
追い掛け回されていたって聞いたよ?なのに、未だに治してないなんて…。ルカはどんだけおバカさんな医者なのかねぇ…?」
「…顔の傷なんて、眼科医の仕事のジャマになんてならないですから。
全然平気ですよ…」
時間を感じさせないゆったりとした、大人の二人だった。
一緒にいることがいつも自然で、かけがえのなかった日々がここで蘇る。
「…だからかな。オレ、ルカのこと、忘れたくても、ずっとここン中にあって…」
トントン、と指で自分の胸を叩き、タカシは苦笑した。
「いつの間にか、自分より大切な存在になっちゃったもんね…」
「…タカシさん、相変わらずですね。そうやって、オレが嬉しくなるようなことをたくさん言ってくれるのに、
抱きしめるとすり抜けちゃうんだ、あなたって人は…」
「…アンタの出世にはオレは邪魔なだけだよ、ルカ」
「タカシさん、オレ、出世の邪魔だなんていつ言いました?」
「…お前はそんなこと、死んでも言わないよ。
だが、あのとき、大学病院の教授から結婚話をもらっていたのを隠してただろう?」
「…言わなかったのは、あの見合い話、最初から断るつもりでしたから。
オレにはタカシさん以外の人間と恋愛なんて…想像すらできないから」
「だから負け組なんだよ、ルカは!オレみたいな根無し草のどこがイイんだか?」
「…全部です。いけませんか?そういう言い方は」
ルカがタカシの顔を覗きこむと、彼の顔もルカに近づいた。
そのままゆっくりと唇が合わさって…キスはほろ苦い、カフェの味だった。