万華鏡トワイライト
第3章 八幡神社
親と一緒にどこかへ出かけるのも、一緒にお茶をするのも、おそらく数年ぶり。もしかしたら、もっとかもしれない。
買ってきたパンと、母に淹れてもらったコーヒーでの3時のおやつタイムは、なんだか懐かしい気持ちになった。
「なにか、あった?」
「へ?」
唐突に聞かれて戸惑う。
「いや、こんな時間に起きてくるのも、仕事以外で外に出るのも珍しいから、何かあったのかなぁ、って」
「うー…、ちょっと懐かしい夢を見て、あと、寝る前に星を見て…」
「星?」
「金星がね、明け方の空に明るく見えるの。輝いてた」
「そういえば、小さい頃は、星とか星座とか好きだったわね」
「星を見るのは今でも好き。ゆっくり見てる時間が無くなっちゃっただけで」
「そっか。ま、あんたが幸せならそれでいいのよ」
母は、そう言うとコーヒーを二口飲んだ。
私も飲んだ。そしてパンをかじる。
「美味しい……」
夕方から働いて、仕事終わったあとも夜更かしして、朝から昼過ぎまで寝ている自分が、なんだかどうしようもないダメ人間になっているような気がして、ずっと辛かった。
でも、夜空の星や、夕焼けを見て美しいと思ったり、万華鏡を覗いて夢中になれたり、人と一緒に食事をして、それを美味しいところ思えるなら、まだまだ人間らしく生きられるんじゃないかな、って少し自分を見直した。
それに、どんな時間帯で働いていても、その仕事があるということは、それを必要としている人がいるってこと。
自分をむやみやたらに卑下するのは止めようと思った。
もっと肩の力を抜いて、自分をありのままで認めることにした。
いつも、相手がいなくて、会話のない『一人メシ』ばかりしてるから気が滅入るんだ。一人暮らしならいざ知らず、家族と一緒に暮らしてるのに一人飯だなら余計にそう感じるんだ。
おばあちゃんが、夢に出てきたのは、私の心のSOSだ。
おばあちゃんが一緒にいてくれた頃は幸せだったから、あの頃みたいに誰かと繋がりたかったんだ、私。
買ってきたパンと、母に淹れてもらったコーヒーでの3時のおやつタイムは、なんだか懐かしい気持ちになった。
「なにか、あった?」
「へ?」
唐突に聞かれて戸惑う。
「いや、こんな時間に起きてくるのも、仕事以外で外に出るのも珍しいから、何かあったのかなぁ、って」
「うー…、ちょっと懐かしい夢を見て、あと、寝る前に星を見て…」
「星?」
「金星がね、明け方の空に明るく見えるの。輝いてた」
「そういえば、小さい頃は、星とか星座とか好きだったわね」
「星を見るのは今でも好き。ゆっくり見てる時間が無くなっちゃっただけで」
「そっか。ま、あんたが幸せならそれでいいのよ」
母は、そう言うとコーヒーを二口飲んだ。
私も飲んだ。そしてパンをかじる。
「美味しい……」
夕方から働いて、仕事終わったあとも夜更かしして、朝から昼過ぎまで寝ている自分が、なんだかどうしようもないダメ人間になっているような気がして、ずっと辛かった。
でも、夜空の星や、夕焼けを見て美しいと思ったり、万華鏡を覗いて夢中になれたり、人と一緒に食事をして、それを美味しいところ思えるなら、まだまだ人間らしく生きられるんじゃないかな、って少し自分を見直した。
それに、どんな時間帯で働いていても、その仕事があるということは、それを必要としている人がいるってこと。
自分をむやみやたらに卑下するのは止めようと思った。
もっと肩の力を抜いて、自分をありのままで認めることにした。
いつも、相手がいなくて、会話のない『一人メシ』ばかりしてるから気が滅入るんだ。一人暮らしならいざ知らず、家族と一緒に暮らしてるのに一人飯だなら余計にそう感じるんだ。
おばあちゃんが、夢に出てきたのは、私の心のSOSだ。
おばあちゃんが一緒にいてくれた頃は幸せだったから、あの頃みたいに誰かと繋がりたかったんだ、私。