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万華鏡トワイライト

第2章 明けの明星

車のエンジン音が聞こえ、父親が仕事に行ったのがわかった。

同じ家に住んでいるのに、父とは、この数年、ほとんど会話をしていない。顔もたまにしか合わせない。コンビニバイトを辞めてニート生活に入り始めた頃に、一度大ゲンカをしたというか、かなり一方的に「ダメ人間」認定され、そのことにカチンと来て以来、避けている。意図的に避けている部分もあるし、昼夜逆転生活で、生活リズムがそもそも合わないというのもある。…が、まぁ、ぶっちゃけ、避けている。

2階の窓から、小さくなっていく車の後ろ姿を見送る。
顔を合わせ辛くて避けてはいるが、親に扶養されている身であることも自覚はしている。

こんなんで、いいのかな。このままずっと夕方ぐらいに起きて、それから夜中まで仕事して、帰って来て、明け方までだらだらして、朝方に眠りにつく生活。稼ぎはそんなに多くはないが、使う機会もほぼないのでお金だけは貯まる一方。学生時代の友達と連絡をとることもなく、職場の人とは最低限の会話のみ…。

業務連絡以外の人との会話、一体どれぐらいしてないんだろう…。


私、このまま、こんな日々を続けて…死ぬまでずっとこんな生活…だったら。

ん~、なんか。考えるの止めた。眠くなってきたし。
さっさと寝よ。

…………
……
…。



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