万華鏡トワイライト
第2章 明けの明星
「それにね、今、ももちゃんは仕事をしてるけど、もし、特に何も仕事をしていなくても、ただ生きているだけでね、人はみんな偉いんだよ」
「偉くないよ」
「じゃあ、言い方を変えるね。生きてるだけで、みんな尊いんだよ」
「尊い?」
「誰だって、みんな誰かの大切な人で、大好きな人で、誰かの力になってるんだよ。生まれてきてくれたことが嬉しいし、だから死んでしまったら悲しいし、いらない人なんて一人も居なくてね、みんな大切な命」
「いのち…」
「万華鏡を覗いてごらん。中の飾りは、いろんな大きさ、いろんな色、いろんな形があって、たくさんいろいろあるけど、いろいろあって、だから綺麗なんだよ。全部必要なんだ」
赤、青、黄、桃、紺、金、銀、緑、黄緑、茶、橙、紫…。
丸、長丸、三角、四角、五角形、六角形、星型、花びら、細長…。
いろんな色、いろんな形が絶え間なく…離れて、近づいて、重なって、流れて、回って…。回って回って…。
「モノも人もコトも、必要のない、無駄なものなんて、何もないんだよ。全てね、全てに意味がある。」
「でも、ゴミは必要ないものでしょ?」
「それはね、役目を終えたものなんだよ。ゴミだって最初からゴミなわけじゃない。最初は役目を持って生まれてきて、役目を終えたから必要なくなっただけなんだよ」
「役目…?」
「モノには役目があるよね。たとえばお菓子の袋は、中のお菓子を湿気や埃から守るためのもので、中身があるときは役目がある。でも中に入っていたお菓子を全部食べきったら、その袋はもうゴミだね?役目が終わったからゴミになる、けど、最初からゴミだった訳じゃない。最初はきちんと役目があった」
「私の役目は、終わったのかな」
「何バカなこと言ってんの。人はモノじゃなくて命でしょ。いらない人なんていないのよ」
「…あ…」
目の前が急に真っ白な光で包まれた。
眩しくて、目が開けられなくなって、目を瞑って…
そして……
しばらく経って、もう大丈夫かなと思って目を開けたら、自室のベッドの中だった。
時刻は……14時。普段は寝ているか、目が覚めてても部屋でダラダラ過ごす時間だったけど、外に出てみることにした。
「偉くないよ」
「じゃあ、言い方を変えるね。生きてるだけで、みんな尊いんだよ」
「尊い?」
「誰だって、みんな誰かの大切な人で、大好きな人で、誰かの力になってるんだよ。生まれてきてくれたことが嬉しいし、だから死んでしまったら悲しいし、いらない人なんて一人も居なくてね、みんな大切な命」
「いのち…」
「万華鏡を覗いてごらん。中の飾りは、いろんな大きさ、いろんな色、いろんな形があって、たくさんいろいろあるけど、いろいろあって、だから綺麗なんだよ。全部必要なんだ」
赤、青、黄、桃、紺、金、銀、緑、黄緑、茶、橙、紫…。
丸、長丸、三角、四角、五角形、六角形、星型、花びら、細長…。
いろんな色、いろんな形が絶え間なく…離れて、近づいて、重なって、流れて、回って…。回って回って…。
「モノも人もコトも、必要のない、無駄なものなんて、何もないんだよ。全てね、全てに意味がある。」
「でも、ゴミは必要ないものでしょ?」
「それはね、役目を終えたものなんだよ。ゴミだって最初からゴミなわけじゃない。最初は役目を持って生まれてきて、役目を終えたから必要なくなっただけなんだよ」
「役目…?」
「モノには役目があるよね。たとえばお菓子の袋は、中のお菓子を湿気や埃から守るためのもので、中身があるときは役目がある。でも中に入っていたお菓子を全部食べきったら、その袋はもうゴミだね?役目が終わったからゴミになる、けど、最初からゴミだった訳じゃない。最初はきちんと役目があった」
「私の役目は、終わったのかな」
「何バカなこと言ってんの。人はモノじゃなくて命でしょ。いらない人なんていないのよ」
「…あ…」
目の前が急に真っ白な光で包まれた。
眩しくて、目が開けられなくなって、目を瞑って…
そして……
しばらく経って、もう大丈夫かなと思って目を開けたら、自室のベッドの中だった。
時刻は……14時。普段は寝ているか、目が覚めてても部屋でダラダラ過ごす時間だったけど、外に出てみることにした。