担当とハプバーで
第7章 皮肉のパーティ
あの時の興奮は微塵にもない。
ハヤテの視線を思い出したのを恥じる。
今は、目の前の、祥里に集中。
「……脱いだよ」
祥里は答えないまま、近づいてきた。
まずは両手で頬を優しく包んだかと思うと、耳に沿うように髪を後ろに撫で付けていく。
それからじいっと首筋を眺め回した。
右から左、顎の下も。
それから右手の親指で、鎖骨のくぼみの上あたりを押す。
「……これ、怪しいな」
じっとり汗をかいてきた。
祥里はブラの隙間に中指を引っ掛けて、グイッと前に倒すと隙間から両乳房を確認された。
「へえー」
焦らすように呟いて、手のひらをお腹に這わせると、太ももの付け根を強く掴んだ。
「開いて」
拒否する言葉なんてない。
足の裏の汗を感じながら、フローリングを滑らせるようにそうっと足を開いた。
太ももに顔を近づけ、吐息をぶつからせながら、祥里の視線が這っていく。
やばい。
怖い。
ツーっと膝頭に手が降りて、それから、鳥肌の立った肌をからかうように撫で上げる。
「うぁっ」
ぞわぞわして声が漏れてしまう。
祥里の指が鼠蹊部を覆うショーツにかけられて、ためらいなく指を差し込んでくる。
「やっ」
止めようとした手を反対の手で払われると、ずぷ、と中指が入ってきた。
「ああ、っやだ」
がくんと崩れそうになる。
祥里の頭を掴んで止めようとしても、全然通じない。
「俺、確信してるわ」
低い、低い、声。
視線を降ろすのがすごく怖い。
グチュグチュと指がかき回す。
声を上げるのすら怖くなって、両手で口を覆う。
かがんだ祥里が顔をこちらに向けた。
それからつぷっと指を引き抜いた。
「ん、あ」
立ち上がった祥里が左手を腰に回して引き寄せる。
鼻が当たりそうなくらい顔が目の前。
恐ろしさに瞬きもできない。
なにを、確信したの。
この暗さで、なにが見えたの。
焦らすように黙ってから、右手で顎を掴むと、無表情のまま唇が重ねられた。
柔らかい感触に、条件反射で舌を出してしまう。
でも、祥里はその舌先を絡め取ったかと思うと、ギチリと噛み付いた。
「うあっ」
痛みに身を引こうとしても、腰を掴んだ手が許さない。
祥里の目が笑ったように見える。
解放された舌の痛みに顔を歪ませる。
「何発ヤってもらったの? そいつに」
囁くように、断罪の声。