担当とハプバーで
第7章 皮肉のパーティ
知らない。
なにも知らない。
そんな言葉で頭の中を満たしても、全てを見抜いた瞳にこれ以上嘘が出てこない。
「ち、違う……」
「婚約者いるって知っててヤったの? ここに、ここに、ここも所有物みたいにマーキングされて」
鎖骨、左胸の乳輪上部、右太ももの内側。
そんなに痕が残ってたなんて。
「濡れにくいくせにこんなグッチョリ白いの溢れさせて……流石にゴムはしたみたいだけど」
濡れた中指を立てて。
首を振るしかできない。
「送迎会の後もチェックしとけばよかったな。今日が初めてかもわかんねえし。なあ、なんか言えよ」
なにを。
なにを言ったらこの空気が改善されるの。
今私はブラとショーツしかつけてないのに。
祥里は笑いながら、私の髪に鼻を近づけた。
「はは、これどこのシャンプーだよ。ホテルで一緒にシャワってきたの? 性欲減ったみたいな顔しといて、外で盛ってんじゃん。あー、情けな」
もう顔を俯くことしかできない。
相変わらず体を離してくれない。
「バレないと思った? 長年一緒にいる俺をそこまでバカにしないと浮気なんかできないもんな。位置特定アプリの精度結構よくてさ。マップと照らし合わせたんだけど、あの辺ラブホ街だろ。そん中でもデカイとこ入ったみたいじゃん」
ああ、そうか。
もう、最初から。
昨日の夜に位置を特定されてから。
帰ってきてから全ては疑いの上で。
ああ、なんてバカなんだろう。
浅はかで、卑怯な口答えをした。
祥里が顎に爪を立てる。
「心底むかつくけど、時間もねえし口でしろよ。申し訳ないって思ってんならそんくらい出来るだろ」
テーブル脇まで連れてこられて、椅子に座った祥里の前の床にぺたりと下ろされる。
全身が冷たい針で刺されてるみたいに苦しい。
嘘を見抜かれて、なにも言い返せなくて。
これから服従を誓うみたいにフェラをさせられる。
いやだ。
いやなのに。
今は拒絶の選択肢がない。
冷えた指先で、祥里のモノを服越しになぞる。
少しだけ上を向いてる。
「早く」
眉をぎゅっとしかめながら、縁に指をかけて、ずるりとずらすと、飛び出てきたそれに視線が奪われる。
何度も挿入されたそれは、パブロフの犬みたいに唾液を溢れさせてくる。
「舐めろよ」
こんな、朝から舐めさせられるなんて、いつが最後。
どうしよう、興奮してる。