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担当とハプバーで

第7章 皮肉のパーティ


 口を開いて、舌を突き出す。
 先端に触れると、ピクリと上に動いた。
 べたりと舌全体を密着させて、丸みに沿って円を描く。
 唾液が伝っていくのを、握った右手で受け止める。
「そうそう。期間空いても上手いな」
 祥里がヨシヨシと頭を撫でる。
 昔はこれがすごく嬉しかった。
 だからもっと上手くなろうと。
 毎日のように咥えてた。
 今は二ヶ月ぶりのそれが、ハヤテのよりも臭いが強くて、シワが寄って皮がぶにりとするのが不快で。
 でも、射精させてあげたい、と願ってしまう。
 ぢゅ、ぢゅと棒の側面に吸い付いて、脱力した舌を細かく左右に震わせながら舐め上げる。
 パクリと先端を咥えて、なるべく空気が入らないように口の中をすぼめながら、ググッと喉奥に押し込んでいく。
 硬さと太さを増したそれが、口内を埋め尽くす。
「は……っ、もっと強く吸って」
 祥里の言葉に無条件で従ってしまう体。
 一生懸命鼻で呼吸しながら、じゅぶじゅぶとスライドする。
 脈動するそれの射精はもう直ぐ。
 動きを早めて快感を強めてく。
「う、あ、止まんな、よ」
 祥里の両手が頭を撫でるように掴む。
 床についた膝が痛いけど、夢中になって頭を動かした。
 ドクッと震えた後で、喉の奥に粘りつくように発射される。
 ごく、ごくといやに響く音を立てながら飲む。
 余韻のように先端から出てくるサラついた液も舐めとって、ぐにゃりとしたそれから口を外した。
 はーっ、はーっと二人分の呼吸が響く。
 両手でぐしゃぐしゃと髪を撫でられる。
「洗わないとな……」
 祥里はそう独り言のように言うと、立ち上がって浴室に向かった。
 安堵して口を拭ってから、テーブルの上のティッシュを探して手を動かしていると、祥里が振り返って言った。
「今夜は九時までに帰るから。毛でも剃って待ってろよ」
 体が止まる。
 唾液に濡れた頬。
 首筋に伝った精液。
 早く、拭かないと。
 でも、今夜。
 今夜、祥里に抱かれるんだ。
 二度と、ないと思ってたのに。
 今朝までハヤテの腕の中にいたのに。
 なんで、別れようって言葉が出なかったの。
 なんで、約束なんて。
 なんで。
 答えのない問いが駆け巡る。
 なんとかティッシュを摘まみ取って、顔を拭う。
 それからショーツを見下ろした。

 なんで、私……
 あんなフェラで濡れてるんだろう。

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