担当とハプバーで
第7章 皮肉のパーティ
だって、あの髪の毛が。
あの髪の毛が私の心を乱したから。
口から漏れそうな怒りを飲み込む。
「誓って言うけど、浮気はしてない。キャバには何回か行った。上司の付き合いとかで。あと一人で飲むのにガールズバーも行った。でも浮気はしてない」
「なっ」
「してない証拠なんて出せない。だけど、今朝、凛音は確かに証拠を残して帰ってきた」
危うく自分もホストに行っていたと言うところだった。
そっちがキャバだのガールズバーに行ったなら。
自分は朝までホストで飲んでいただけだと。
それを先回りされたように、朝の話を持ち出された。
「毛は剃ったのかよ」
視線が太ももの間に這う。
それから熱い手が膝頭に置かれたかと思うと、ググッと開くように力がこもった。
「やっ」
いきなりの行為にびっくりして祥里の手首を掴む。
部屋着のロンTだと抵抗も虚しく、すぐに下着に指をかけられた。
躊躇なく入ってきた指が、膨らんだ肌を撫でる。
「んんっ」
「全部じゃないけど剃ったみたいだな」
満足気にそう言うと、祥里は立ち上がって私の腕を引き、寝室に足を向けた。
ぞ、ぞ、と腕と胸周りが寒くなる。
そこに入ってしまったら、始まることを想像して。
全身を悪寒が駆け抜けた。
急いで腕を振り払おうとすると、祥里が立ち止まった。
ぎり、と掴まれた場所は解放されない。
「なんだよ。そんなに嫌になったか」
なんで。
なんでそんなに悲しい声色で。
寒気を上塗りするように温かいものが伝わっていく。
単純だ、この体。
「い、いや、じゃない……けど、久しぶり、過ぎて」
「はは、確かに」
ぐいっと引かれたかと思うと、腰と頭をぎゅっと抱きしめられていた。
風呂上がりの湿った肌と、少し荒い呼吸。
触れ合った股間に押し当てられる塊。
「祥里……?」
「俺さあ、自覚なかったんだ」
腕の力を緩めて顔を合わせる。
なんだか泣きそうな顔をしていた。
可愛い、と過ぎってしまう都合のいい感情。
「凛音がどこぞの野郎に抱かれたかと思うとさ……」
唇が近づき、吐息が当たる。
「すげえ、嫉妬する」
ふにり、と柔らかく触れ合ったのは一瞬で、すぐに熱い舌が侵入してきた。
「ふ、んんっ」
水音が脳に木霊して、腰から力が抜けていく。
ぐりぐり押し付けられた祥里のモノが硬さを増す。