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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第2章 複座タンデム機の訓練

数週間後


随伴型試作機〈ブリジニティ〉〈スプート〉はそれぞれ1号機と2号機が用意され、さらに二組4機の連携訓練が行われていた


黄色い塗装の、いかにも試作機とも言えるほうが1号機、スコットと新人のダン・スピンドンのペア


青い塗装の2号機にはヴァレンティアと新人のアイーダ・ヤンキストのペア


それぞれ新人が親機〈ブリジニティ〉をコントロールし、同乗しながら子機〈スプート〉をスコットとヴァレンティアが遠隔操作していく


4機の試作モビルスーツは月面のクレーターを這うように滑空していく


4機はグラナダ・シティを離れ工業プラントが集中するサブドームのほうまで足を伸ばす


ここは昔のアナハイム社の格納庫が点在する


かつては連邦軍の目を逃れて秘密裏にモビルスーツ開発が行われていたらしい


スコットたちの訓練場所にはちょうどいい廃墟となっていた


テストパイロットたちのなかでは「墓場」とも揶揄される


それぞれが親機、子機を代わる代わる進めていき身を隠しながら工場プラントを抜けていく


親機が隠れたままでは駒は進まないし、親機が大胆に活動してしまうと標的にされてしまう


うまく子機を使いこなし、仮想敵に無人機であることを悟られないよう行動していく



コックピットのモニター画面には基地内からバックアップしてくれているオペレーター、クレアの顔が表示される


「1号機、今のペースではターゲットまで届きません、スピードを上げて下さい

 2号機、〈スプート〉の動きが単調過ぎます、敵に無人機なのが悟られます、もっと細やかなアプローチをして下さい」


先行訓練していたスコットとヴァレンティアだったが新人たちの前で良い格好は出来ないままこの日の訓練は終わった


グラナダ・シティのアナハイム訓練基地に戻ると格納庫ではヘルメットを投げ捨て苛立ちを隠せないヴァレンティアの姿があった


スコットも消化不良な訓練となってしまった


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