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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第14章 ビデオ・ログ


小惑星アクシズが刻一刻と地球へ向かっている


ダイクンの息子が率いる部隊は小惑星ごと地球に落下させようとしている


ダイクンの息子は宇宙の民が搾取されているとして、地球連邦政府に粛清を図っている


地球ごと人の住めない場所にしてしまおうとしているのだ


月面のクレーターのうちのひとつ〈アガルタ〉の街から鉱山用マスドライバーで射出された巨大な兵器〈ストーム〉は地球を目指すべく宇宙を飛んでいた


小惑星アクシズの地球落下の混乱に乗じて大気圏へ突入しようと月から地球へ進んでいく


鉱山から採掘された岩石をまとって偽装している〈ストーム〉は、外からではただの岩石に見えるだろう


彼らには地球がどうのだとか、宇宙で暮らす民の不満など関係無かったし、ましてや地球連邦軍とネオ・ジオンの抗争にも巻き込まれたくなかった


過去の軍事大国ジオンは〈強力な兵士〉を作り出すために様々な研究をしていたらしい


F機関による〈ニュータイプ計画〉


そしてキンバリー博士による〈エターナル計画〉


さらにエターナル計画で生み出された兵士たちが操る巨大兵器〈ストーム〉


エターナル計画ではさまざまな少年兵、少女兵が作出されたが、そのなかでも“欠陥品”として廃棄されたのが〈ストーム〉の中で眠り続ける少女たち、〈オルタナティブ・キアラ〉


まさしく〈キアラの代替品〉たちはオリジナルのキアラのためにこのストームを守り続けてきたのだ


それはスコットは母も同様だ


彼女も“欠陥品”として流出したキアラたちのうちのひとり


おそらく停止していたはずの〈成長〉が何らにより欠陥してしまい大人になってしまったのだろう


キアラ皆の気持ちと、

スコットの母を想う気持ちが

ストームを地球に向かわせているのだ




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