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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第15章 大気圏


ダイアナはコックピットハッチを開け、宇宙空間に躍り出ると、チャーリーの機体に取り付いた


外側のロックを解除して、強制的にハッチを開けさせる


ダイアナは動けないチャーリーにしがみついた


「なに放心してんのよ、情けないわね
 ほら、上を見あげてごらん?
 まだまだ戦闘は始まったばかりだよ」


そう言われて無気力のチャーリーも何となく上の空間を見上げた


光りがバチバチと瞬いている


“そうだ、まだ終わっちゃいないんだ、
 みんな宇宙で戦ってる……”


そのとき、ふと謎の機体のことを思い出した


あいつもこの光りの中で戦ってるのだろうか?


いや、あいつは戦ってなどいなかった!


戦いなどに興味が無さそうに思えるのだ


「ダイアナさん……、おれ不思議な機体を見たよ

 そいつはまるで踊っているみたいだった…」



ダイアナはえっ?という顔をした


「それは連邦軍? ジオン軍?」


「わかんないよ、ただそいつを見つけたジェガンはすぐに攻撃してきたんだ
 だから連邦軍じゃないと思うんだけど

 でも機体の雰囲気は連邦っぽかった」



「そいつだよ! きっとそいつにスコッティが乗ってたんだよッ!」


ダイアナはディスプレイを勝手に操作して、直近の記録画面を検索する


すぐに表示された画面には、ダイアナも知らない機体が映っていた


「確かに連邦軍っぽい機体だね……
 モビルスーツじゃないように見えるけど、戦闘機にしては腕っぽいのがあるのはおかしいよね」


ダイアナも知らない機体となればグラナダ工房とは無関係なのだろう


“フォン・ブラウン工房なら連邦軍直轄のはずなんだけど、仲間割れでも無さそうね……
 やはり第三者の立場、スコッティかもしれない”


ダイアナはそう結論づけた


「さぁ、しっかりしなさい!
 ここを離れるわよ!
 まだ近くにスコッティが居るのかもしれないわ!」


ダイアナはそう言うと自分の機体に戻っていった


“いったいどうやって探すんだ?”


チャーリーはハッチを閉じて、機体を起こし始めた…


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