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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第15章 大気圏


ちょうどその頃

後続部隊としてコーエン・ゾーフェンとキャロライン・ウェスティンが乗り込むチャームフューリーが連邦巡洋艦サラミスから発進した


発艦当初はジェガン小隊と行動をともにしていたが既に先行部隊による戦いは始まっており、戦場は乱戦となっていた


高速移動が出来る飛行形態のチャームフューリーは戦場を駆け巡り敵モビルスーツを撹乱していた


一度動きを止めてしまったネオジオン軍のギラ・ドーガを友軍機が狙撃していく


「どう!わたしの1号機の実力は!
 誰もわたしを止められないわッ!」


「調子に乗らないで下さい、キャロラインさん
 悪目立ちが過ぎます!
 ほらほら、ギラ・ドーガ部隊がこちらの足を止めようと四方から迫ってきましたよ!」


「まだ分離はしないわッ! もっと!
 もっとかき乱してやるのよッ!」


キャロラインはケガ人とは思えない加速と急反動を繰り返し、敵を翻弄していく


ギラ・ドーガがこちらについて来れば、それだけ友軍が小惑星アクシズへ辿り着ける


次々と敵モビルスーツの展開の隙間をすり抜けながら、落とし物のように拡散魚雷をばら撒いていき、ギラ・ドーガの動きを封じていく


「キャロラインさんが艦長さんからのジェガン貸与の話しを断るハズだよ、

 この戦い方はモビルスーツではマネ出来ない
 チャームフューリーならではの戦い方だ

 負傷していてこの加速!
 やっぱりキャロラインさんはチームのエースだ!」


コーエンは彼女の実力を同乗して初めて理解できた


“前の部隊では紅一点の、少し味噌っかすのような扱いを受けていた様子だったけど、それは違うんだ!実力で劣っていたわけじゃなくて彼女の明るさで雰囲気を作っていただけなんだ!

 実力はマーティン隊長よりも凄まじい!
 すごいパイロットだったんだ!
 すごいよ、キャロラインさん!!”



コーエンは機体の制御をコントロールしながら、彼女のテクニックにパイロットとして興奮した


「さぁ、コーエン! 肩慣らしは終わったわ!
 今から本気で行くわよッ!!」



「………えッッ????」



チャームフューリーは信じられないような速度を出して、一気にギラ・ドーガ小隊をぶち抜いてしまったのだった……


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