テキストサイズ

月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第15章 大気圏


その急加速する光りの跡、チャームフューリーの航跡を見つけたのは周囲の敵だけでは無かった


遠くの隕石群から顔を出したギラ・ドーガ


それも4機


次々とメインカメラのモノアイが光る


「見つけましたよ、ドミニク姐さん!」

「アイツに間違いないよ、姐さん!」

「行こうぜ?行くんだろ?姉貴」


3機から次々と通信が交わされる



その中で異様に派手な塗装をした一機が動く

グリーンのベース塗装に、血しぶきのように吹き付けた赤いペイント

まるで試合直後の返り血を浴びたボクサーが、ゆらりと登場するかのように前進する

本来有るはずの両肩の盾を撤去して、
代わりにスペアのライフルや質量バズーカを何本も装着している

そして何よりも特徴的なのは腰に下げた巨大な斧、ビーム・アックスが左右のバランスを無視して吊り下げられていた

完全に攻撃型の仕様

防御のことなど考えず、
ひたすら前に突撃していくスタイルだ


短期間で運用開始したギラ・ドーガをここまでカスタムするにはなかなかの実力が無いと出来ないだろう


「ようやくドミニク様の出番だねッ!
 雑魚は無視していいよ、
 アイツをヤリに行くよ、
 お前たち、ミスするんじゃないよッ!?」


カスタム機のパイロット、ドミニク・セバスチャンは部下たちを煽っていく


他のギラドーガも肩に血しぶきの塗装で統一されている


恰幅の良い巨漢の女性パイロット、ドミニクは収まりきらない胸元を大胆に開けて、気密性などお構い無しといった様子だ

ドミニクは3人の男達を率いて真っ直ぐチャームフューリーの後を追った


ストーリーメニュー

TOPTOPへ