月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜
第16章 ドミニク隊
ヨハネス機があとから追ってきたときにはすでに僚機は爆発した後だった
機体は胴体真ん中を撃ち抜かれ、さらに腕や脚部も破壊されており、小規模な爆発を何度も繰り返していた
量産機レベルでのビームコーティングではあるが背中のバックパックを直撃されてしまえば脆いものだ
ヨハネスは炎を噴き出す僚機を背に警戒する
近くに居てる筈だ
軽快な動きであるチャームフューリーより重装備なヨハネスのギラ・ドーガのほうが撃ち負けるはずは無い
見つけた瞬間、撃ちまくれば敵を倒せる
向こうが先に撃ってきてもこちらにはダメージは少ないのだから
後出しで攻撃しても十分倒せる筈だ、とヨハネスは踏んだ
岩の向こうから高速で飛行する物体!
「見つけたッッ!!」
ヨハネスは両肩のキャノン砲と腕に携えているビームライフルを連射した
ドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!
その瞬間!
背にしていたシュテファンの残骸の下から亡霊のようにモビルスーツが立ち上がり、一刀のビームサーベルがヨハネス機の胴体を切断した!
一瞬でヨハネスの身体は蒸発した!
本人も何が起こったのか知りもしないでしんでしまったのだ
ギラ・ドーガの残骸の下に隠れていたコーエンのGフューリーは分離していた航空機パーツ、チャームを呼び寄せて合体した
コーエンたちはただちにこの場所を離れた
まだ部隊は近くに居る
この2機の爆発を察知して近付いてくることを警戒して新たな隠れ場所を探して巨大な岩の塊のまわりを飛びまわっていった
ドニミクは岩塊の反対側に居たため僚機の戦闘の光りを見ていなかった
ペアを組んでいたサフィーネから爆発の衝撃波が2回あったことを聞いた
すぐさまサフィーネに爆発したのがどちら側なのか確認に行かせる
ペアを崩すのは危険だが、戦場の状況を確認するほうが優先だった
いまいましきチャームフューリー部隊
何度も邪魔された実験部隊がこんな簡単に終わるとは思えなかった
きっと爆発は僚機、信じたくはないが仕方がない
またオトコを補充しなければ、とドミニクは考えながら岩塊の上に立ち上がった
片側の腰に下げた巨大な斧のせいで少しバランスを崩すがすぐに補正した
アイツにトドメをさすのはこの斧だよ!
ドミニクは叫んだ