月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜
第16章 ドミニク隊
チャームフューリーのコックピット内ではコーエンとキャロラインの2人がタイミングを図っていた
「コーエン!チャームを離脱した瞬間、Gフューリーのビームライフルで一発で狙撃するのよッッ!!」
「わかってます!わかってますけど……!!
アイツ、アイツはきっとそれを読んでいますよッッ!?
狙われているのはこちらです!!
このままではアイツの思うツボですよ!」
キャロラインもわかっていた
わかっていたが、そのやり方しかない
目のまえで撹乱させて、その隙をつくしかないのだ
以前、チャームフューリー部隊を立ち上げたときドーベン・ウルフの部隊をあっという間に殲滅させたマーティン隊長の得意技を!
「いい!?コーエン!!」
「待って!! 読まれてるなら読ませてやりましょう!!」
コーエンは機体の管制をキャロラインにまわし、自分が航空機チャームをコントロールさせた
機雷ネットがついにチャームフューリーを捉えた
分離離脱して撹乱させるなら今しかなかった
「いきます、キャロラインさん!!!」
爆発に煽られた瞬間、
機体は航空機とモビルスーツに分離した
そのタイミングを狙ってサフィーネのギラ・ドーガが突撃してきた
サフィーネの高笑いがGフューリーのコックピットにも響いてきた
至近距離射撃!!
しかもギラ・ドーガのビームライフルはすでに光りを放っていた
放出される瞬間
撹乱させるために飛び出してきたのは航空機チャームではなく、モビルスーツのGフューリーだった!
「な、なにっ!?」
ギラ・ドーガのビームライフルは残されたチャームのほうに向けられ、すでに放たれたビームエネルギーは航空機チャームに直撃させていた
すんでのところで飛び出していたモビルスーツGフューリーはすでに狙撃態勢のまま宙を飛んでいた
「遅いわよッッ!!」
キャロラインはトリガーを引き、目の前のギラ・ドーガは上半身への直撃を受け、後方へ吹き飛ばされてしまった
そのまま岩肌を滑るように転げ、手足がもげたギラ・ドーガは沈黙した