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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第16章 ドミニク隊



「はぁ、はぁ……、やったわッ!!」


「なんとか脱しましたね?でも大切なチャームを失ってしまいました……」


「仕方ないわ、ああしなければこちらが狙われていただろうから……

 それにしてもチャームをダミーにするなんて、咄嗟によく考えたわね?コーエン」



「アイツはこの機体をよく知っているようでした、たぶん何度か戦っていたドーベンウルフの生き残りのように思えます……

 どちらにせよチャームを離脱させてGフューリーが狙撃するパターンはもう通用しないでしょう……」



ホッと安堵しているコーエンたちは無惨にも破壊されてしまったチャームの残骸を前に立ちすくんでいた



その背後に巨大な斧を振りかぶっていたギラ・ドーガに気づくことなく……



ゆらりと迫る黒い影


すでに斧は振り下ろされていた!



「キャロラインさんッッッ!!!」


「え???」



モビルスーツの管制はキャロラインに移っていたためコーエンでは反応しても無駄だった



キャロラインが咄嗟に機体を反転させようとしていたがコーエンは間に合わないと思った


背後の高台から降下してきたドミニクのギラ・ドーガ



巨大な斧の柄の部分には縦一列に小さなスラスターを噴かせてさらに攻撃力を増大させるためカスタマイズされていた


Gフューリーの頭部に激突する瞬間!


一本の光りの筋道が走った!



ビームライフル!



「……ッ!? なんだァ!?」


「……なに???」



光りの筋は真っ直ぐギラ・ドーガの斧に命中した


真っ赤に輝いていたビームアックスは撃ち抜かれたと同時に砕け飛んだ


Gフューリーの頭の後ろの位置で爆発する


間一髪


その光りは放った方向から凄まじい勢いで飛び込んでくる機体


それは航空機形態のチャームフューリーだった



「もう一機いたのかいッッッ!?」


「ま、まさか……ッ!? 誰の機体なのッ!?」


ディスプレイに僚機の認識番号が表示される



「3号機ですッ!ボクの機体ですッ!!
 スコットです!」



コーエンから託されたチャームフューリー3号機を駆ってスコット・イアンが現れたのだった


そのままの勢いで駆け抜ける瞬間、スコットはチャームと離脱し、落下する速度を落とさずそのままギラ・ドーガに斬りつけた


ビームサーベル!

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