月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜
第16章 ドミニク隊
突然現れたスコットのGフューリーは一瞬でチャームから離脱したのち、そのままの勢いでビームサーベルを抜き、ギラ・ドーガに斬りかかった!
だが、ドミニクの判断は早かった
破壊されたビームアックスを躊躇なく手放すと、すぐさま自身もビームサーベルを抜いた!
ビームサーベル×ビームサーベル!
まばゆい光りが辺りを白と黒の世界へ誘う
ビームの粒子と粒子が反発し、互いに斬りつけられない
互いにつばぜり合いの姿勢を保つが、先に動いたのはスコットの機体だった
スコットはビームサーベルが反発するやいなやさっさと見切りをつけて反発する力を反動に変えて宙を舞った
くるりと回転すると一気にスラスターを噴かし、地表から離脱
宇宙空間に飛び出したかと思うと背中越しにビームライフルを連射させた!
ドミニクのギラ・ドーガもつばぜり合いの状態から素早く反応して見せ、ビームライフルを放った
ビームライフル×ビームライフル!
交差した瞬間、大爆発が起こった!
そのタイミングでキャロラインはGフューリーを一度離脱させた
それは戦闘から離れるためではなく、ギラ・ドーガが動きを止めた瞬間を狙ったためだ
ビームライフルを放ったドミニクの機体が止まった瞬間を狙ってキャロラインのGフューリーはビームサーベルを抜いてギラ・ドーガに斬りかかる
キャロラインの太刀筋はキレが良かった
横一文字に振り切った
ドミニクのギラ・ドーガはかろうじて避けたものの、機体の左腕がわずかに避けきれなかった
ドォォッッ!!
機体の近距離で左腕が爆発する
おかげでギラ・ドーガのコックピットハッチが衝撃に耐えきれず吹き飛んだ
コックピットの内部が露呈する
キャロラインは相手のパイロットと目が合ったように思えた
ディスプレイに映るギラ・ドーガのパイロットも自分と同じ女性であった
顔はわからない
ヘルメットのバイザーは黒く、光りを通さなかった
ただパイロットスーツの前を大胆に開け胸元をあらわさせた姿を見て、同じ女性だとわかったのだった