テキストサイズ

月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第3章 実戦!ギラ・ドーガ

「ミノフスキー粒子がかなり濃いようです
 〈スプート〉とは断線状態が続いています」


「大丈夫だよ、ダン
 オート制御に切り替えてあれば敵味方の認識は出来るし、独立行動をとっているだろう

 それよりも2号機が見当たらない

 2号機の〈スプート〉は半壊されてしまったようだ、随伴は期待出来ないだろうからヴァレリーたちはどこかで身を潜めているんだろう

 こちら側から陽動攻撃していけば脱出のチャンスが生まれるかもしれない」


「どうしますか、スコッティ」


「ギラ・ドーガをかわしつつ、こちらの〈スプート〉と再合流しよう

 有線で新しい攻撃パターンのデータを伝えよう

 右から攻撃を仕掛ければ随伴機は左へ、

 上へ攻撃すれば随伴機は下側へ、

 多箇所展開を意識した波状攻撃を仕掛ける


 左右に展開しながら常に移動して動きを悟られないようにしたい」



「それなら23号と45号のデータを組み合わせれば可能です、有線接続ならデータ送信も早い」


「わかった、ではまずは随伴機に合流しよう」


このような戦地の場合、複座式のコックピットは機内で打ち合わせが出来るのが強みだ


単独のモビルスーツ部隊では通信もできないし、細かい打ち合わせをする瞬間も少ないだろう


上下に操縦席を設けられた〈ブリジニティ〉には他のモビルスーツにはない作戦行動が立案出来るだろう


スコットたちテストパイロットからすれば、この複座タンデム機と随伴機を組み合わせたペア行動は新しい切り口の開発だろうと感じた


やはり様々な状況で使ってみないとわからない


それがテストパイロットたちの仕事なのだから


運良く建物の陰にかくれていた無人機〈スプート〉と合流できた〈ブリジニティ〉は有線接続にて新しい行動パターンをプログラミングさせた


接続を切り離したあと、〈ブリジニティ〉が前進していくと、無人機は右の方に単独行動をとり離れていった


これで少ない戦力でも敵を撹乱させることぐらいは出来るだろう


敵部隊の殲滅が目的ではない


味方機の脱出の機会を作れればいいのだ


じゅうぶんに距離をとってから、スコットたちは多箇所からの波状攻撃を開始した


ストーリーメニュー

TOPTOPへ