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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第4章 クレアの癒やし

「……ごめんね、クレア」


「スコッティ、起きてたの?」


クレアは添い寝しながらスコットの髪を撫でてやった


「何回もあの時、あの瞬間のことを思い出すんだ、何回も何回も

 朝までいつものようにくだらない話しをしながら訓練に臨んでいたのに…

 いつものように訓練を終えて、帰宅するだけのハズだったのに…


 ヴァレリーたちは死んでしまった…!」


「スコッティ、眠りなさい
 何も考えなくていいのよ」


「……出来ないんだよ
 
 頭から離れない

 繰り返すんだ…」



スコットは言い放つとクレアに背を向けた


クレアはそっとスコットの背中を抱きしめてやった


苦しんでいる少年の背中はとても小さかった


背中から腕を回して、包んでやる


異性とベッドを共にしている緊張感がクレアにあったが、苦しんでいる弟のような存在のスコットに憐れみを感じながら、そのままクレアは睡魔に勝てず眠ってしまった



明け方、身体が肌寒く感じて目が覚めてしまった


肩を出したまま眠っていた


ベッドに深くもぐろうとするとそのままスコットと抱き合うような態勢になってしまった


いつの間にかスコットも寝返りをうってクレア側に向いていたようだ


彼はまだ寝息をたてている


しっかり布団をかぶり暖かくしてやる


クレアの頬にスコットの髪の毛が触れる


彼の頭を抱きかかえるようにしてやると、スコットはその動きで目が覚めてしまった


クレアの胸元に顔をうずめたような姿勢だったことに気付き、彼は寝起きから少し慌ててしまう


「ご、ごめん」


「いいのよ、寒いでしょう?もっとこっちへ」


そう言われてもスコットから積極的に密着するわけにもいかず、動けなくなってしまった


クレアはそんな彼がもどかしくなる


クレアは彼の身体に手を回し、やさしく抱きしめてやった


彼も素直にしたがう


「……いい匂いだ、クレアの香りがする」



「……そう?」


クレアは照れくささを感じながらも、彼が少しづつ落ち着きを取り戻せている様子に安堵した


昨夜は心身逼迫症のような雰囲気だったのだから


クレアは彼を慈しむように、ぎゅうっと力を入れて抱きしめてやるのだった


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