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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第4章 クレアの癒やし

「落ち着いてきた?スコッティ

 眠れそう?

 眠れるのなら、また眠るといいわ」


「うん、ありがとう

 クレアと触れ合っていると、怖いことが薄まるよ

 さっきは目の前に急に黒いものが迫ってくる感じだったり、周りがバチバチ赤く光りを放ったりして、とても怖かったんだ……」



「大丈夫よ、そばに私がいるから

 もっと私に触れて、スコッティ」


クレアは互いの指を絡ませてやる


「あのまま一人で帰っていたら、ボクは何かに押し潰されていたかもしれない

 2人でこうしていれて、良かったよ」


「そう? なら、良かったわ

 部屋まで連れてきてしまって、ゆっくり出来ないのかもしれないと思ってたから

 私が余計なことをしていなかったら良いんだけど…

 ごめんね、オバサンのワガママで連れてきちゃって」


「クレアはオバサンじゃないよ、綺麗だ

 それに優しい

 今もとてもありがたくって、申し訳ないぐらいだよ、感謝しかない

 どうしてここまでしてくれるの?」




「私はスコッティを助けてやりたいの

 私なんかで出来ることは何でもするわ

 リラックス出来る場所が必要なら与えてあげたいし、

 眠る場所も作ってあげる

 あなたはとても頑張ったわ

 あなたが苦しむ必要なんて無いのよ

 よく、生きて帰ってきてくれたわ」



「ボクは……失敗したと思ってる

 大切な仲間を助けてやれなかった

 自分たちだけが生き残ってしまったように感じてしまうんだ……」



「ヴァレリーたちはとても残念で悲しいわ

 優秀なパイロットだったし、とてもキュートな女のコだった

 彼女のこと、好きだった?

 もしかして、付き合ってた?」



「最初は先輩ヅラする自己主張の強い人のように思ってた

 でも一緒にペアで訓練を続けていくうちに仲間意識が強くなっていった

 家族のような姉のような

 そんな存在だ

 一度だけ、

 そんな瞬間になったこともあったよ

 でも、そこからボクたちに何かが生まれたわけでもなく、その前にこんなことになってしまった……」



「……瞬間?

 恋人のような瞬間ってこと?」


クレアは少しだけそのキーワードが気になってしまった


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