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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第4章 クレアの癒やし

「……うん

 ちょうど訓練のあと、ボクだけでなくヴァレリーも上手くいかないスランプのように感じるときがあって…

 ボクたちはふたりとも不安でたまらなかったんだ

 それこそあのときも何かに押し潰されてしまいそうだった


 その時に一度だけ、

 恋人とは違うんだけど、

 不安を解消しようとしたんだ…」



クレアは他の女の話しをされ、少しだけ心に棘が刺さる


スコッティは正直に今の気持ちを話してくれているのに、自分はまるで他の女と競い合っているように思えて自分が惨めに感じてしまった


歳の差がねたましい


ヴァレンティアのように自分は積極的に求められない


若い娘と比べられてしまっては適うわけない


自分には何が出来るのだろうか



スコッティは求めてくれるだろうか


捌け口にだけされても構わない



「今も不安が迫ってくる?

 その……私なんかで良かったら…


 解消させてあげられるかしら?」



スコットの指がビクッと反応する



「あ、あのときはただ単純に慰め合ってたようなもんだよ!

 お互いに利用してしまってたんだ!


 クレアを……利用したくないよ


 ボクにはそんな価値は……ないから」



「……わたし、ヴァレリーみたいに若くてキュートな娘じゃないから、とても敵わないケド

 スコッティが求めるなら、利用されてもいいのよ

 だって、男を奮い立たせるのが、女じゃない


 女の肌が男に生命を与えられるのなら


 私を利用しても良いのよ」



「……そんなこと、クレアに悪いよ」



「やっぱり私じゃダメかしら?」



「クレアを消耗品のような、道具のような扱いにしたくないだけだよ」



「あなたの力になりたい

 道具のように扱ってもらっても構わないわよ」



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