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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第5章 委員会

月面階層の高い繁華街にあるホテルの一室


スコットはクレアの裸体を下から見上げていた


下から突き上げると彼女は苦悶の表情をする


眉間にシワを寄せていても、彼女は美しい


繊細な彼女の表情

最初こそ緊張して声も出さなかったが、忘れかけていた快楽を取り戻そうとするように次第に声が大きくなっていった



揺れる身体がなまめかしく光る


果てても、果てても


何度も求めあった



もう何度目だろう


クレアは半狂乱したり、ぐったりしたり、微笑んだり、意識が飛んだり


目まぐるしく表情を変えていく



最後に果てたとき、彼女はフルマラソンを走り終えたかのように肩で息をして、会話すら出来ないほど消耗し、燃え尽きていた



スコットはやりすきたかな、と思う


憧れの女性との情事はこれで終わりだろう


スコットは寄り添うように寝そべると、彼女の肩に指を這わす


指が触れた瞬間、彼女はビクッと反応する


お願い、少し休ませて

とでも言いたげだ


身体が敏感になっている


スコットはやさしく抱きしめた


落ち着いた様子を見計らって飲み物をクレアに手渡す



彼女はひとくちだけ口にすると、グラスを置いて気だるそうに寝そべっていた


スコットは憧れの女性を消耗品のように扱うつもりは無かったが、委員会でのやりきれない対応に堪えてしまい、彼女の優しさに甘えてしまう


クレアはそれでも喜んでくれた


一度で終わらず何度も繰り返してしまったのは、それだけモヤモヤとした苛立ちがエネルギーとして全身にみなぎってしまっていたのだろう


ここ数年、レスに近かったクレアにはそれをすべて受け止めるほどの体力がなかった


最後の方は壊れた人形のようだったから



ようやく落ち着いたとき、スコットはこれからのことを話し始めた



「……ボクはここを離れるよ」



「……委員会で何があったの?」


「事を荒立てるな、て

 忘れろってことだろ

 戦争のきっかけを作るな、とも」



「……そんな……」


「……それに少し身の危険を感じるんだ

 ボクが見ちゃいけないモノを見たかのように思われてる

 あそこには何かがあるらしい」


「……何なの、それ」


「ボクも何も知らないよ」




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