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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第8章 月の街「アガルム」

「ニュータイプという概念のあと人工的な強化人間が作られ、それらに対応したモビルスーツやモビルアーマーが開発されただろ?


 〈エターナル計画〉がソフト面の研究だとしたら、そのハード面が〈カタストロフ計画〉


 つまりは究極の殺戮兵器を手にしようと躍起になっている


 おそらくネオ・ジオンはその計画を察知してまだ月にあるうちにカタストロフマシン〈ストーム〉を手に入れようとしている……



 それはおそらく連邦軍も同様だろう」



スコットとクレアは事の重大さに言葉が出なかった



廃工場に隠されていた巨大兵器を狙ってネオ・ジオンの工作部隊が占拠していた場所で、偶然〈ブリジニティ〉の訓練があり交戦

仲間のヴァレンティアたちは帰らぬ人となってしまった…


その日、別の場所で訓練をしていたなら…?


ヴァレンティアは今も生きていたかもしれない



今のように追われる事もなかっただろうし、クレアを巻き込むことにもならなかった



スコットはちょっとした歯車が狂ったことで、大きなものを失ってしまったように思えた



「……これからキミはどうするの?」



「……本来なら〈継承者〉オリジナル・キアラに譲渡するのがわたしの目的だ


だが、オリジナル・キアラの詳細はまったくわからない


今も生きているのかさえ、わたしは知らないんだ


だが、このままではネオ・ジオン、連邦軍にいつか発見されてしまうだろうし、


何なら地球の〈黒海ゼントリックス軍〉の手に落ちてしまうかもしれない


もしかしたら……ハルフォード提督は既にオリジナル・キアラを手にしているのかもしれない……」



「……地球か……」



スコットは閉塞感のなか、まだ見ぬ青い惑星へ想いを馳せていた…


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