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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第8章 月の街「アガルム」

その夜


「眠れないの? スコッティ」


薄暗い部屋


二段ベッドには2基並んだ4人部屋


上にキアラ、下にクレア


向かいの壁側の下段にスコットが横になっていた



キアラはすでに眠っているようだ



スコットが何度も寝返りをうっているのをクレアが気にかけた



クレアはそっと自分のベッドから抜け出し、向かいのスコットのベッドに潜りこんだ



「……クレア?」



「ちょっとだけ一緒に居させて?」



女の肌はやわらかいな、と密着する身体を感じる


さらにクレアはスコットにキスをした



「これからボクたちどうしたらいいんだろう?」



「…そうね、きっと私たちは秘密兵器を奪い去ったテロリスト扱いのままでしょうね」



「ごめん、クレアを巻き込んでしまって…」



「もう、言わないで

 それにわたしがこうなることを求めたのよ、アナタと一緒に居る事を」



「キミの旦那さん、フォン・ブラウンに居るんだっけ? 拘束されたりしてるんじゃないだろうか?

 それにダイアナたちもどうなったのかな」



「そこは明日確認が取れるかもしれないの

 アガルムの街には知り合いが居てるのよ

 以前テストパイロットをしていた人でね

 事故があってパイロットを続けられなくなったあと、この街で発掘重機の仕事をしていた筈なの


テストパイロットのあと重機モビルスーツに転職する人も多いのよ


その人がダイアナと連絡を取ってくれるかもしれない


私たちが直接ダイアナへアクセスするのは危険でしょ?


それにその人はあまり組織に馴染めなかった人だったから、私たちのことを売ったりしないと思う


私は明日はその人のところへ行ってみるから」



「その人が奴らに巻き込まれたりしないだろうか? これ以上迷惑をかける人を増やしたくないし……」



「きっと大丈夫、うまくいくわ

なぜならその人もそういった動きが好きな人だったから

 安心して

スコッティは心配しなくていいのよ」



「ちぇ、急にお姉さんぶるなよ」



「お姉さんに任せなさい」



クレアは再びキスをしてきた


そのまま身体を重ねていく


「クレア? ここはマズイよ、キアラが起きてしまう」



「……大丈夫よ、子供は一度寝てしまうとなかなか起きてこないものよ」


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