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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第9章 チャームフューリー部隊

警官のハリスが壁の手配書を指差す


そこには30歳代の女と

ティーンエイジャーの少年の顔写真がある


クレアとスコットだ



「事件は月のウラ側でしたよね?

 ここまで来ますかね?

 足も無いのに」



「どうだろうな」


ハリスはロルフに顔を近付けてコソコソ話し始めた



「ここだけの話し、アガルムには入ってきているらしい

 クレーターの外縁部には震度計か反応したんだ

 デッカイ何かで乗り込んでるんだろうな」


「そこまでわかってるんですか?
 発表しないんですか?」


「採掘や加工場を止めるわけにはいかないからな

 何が目的かはわからん

 フォン・ブラウンへ逃げ込むのか

 ここのマスドライバーを使って別のコロニーへ紛れ込もうとしているのか

 どちらにせよ、我々からすればいい迷惑だ」


「そうか、この近くに潜伏しているかもしれないんですね……

 やっぱり宿を替えようかな……

 不安になってきた」


「いやいや、脅し過ぎちまったかね?

 大丈夫、大丈夫

 もう検討は付けてあるんだ!

 ここから西の大通りに露店が立ち並ぶ一画がある

 グリム区だ

 そこには近付くな

 近く一斉手入れが入る

 可能性が一番高いのがそこだ」




「なるほど、それは良いことを聞いた

 さっそく宿をキャンセルしよう

 ここは私に奢らせて下さい、警部」


「いいってことよ、警部しゃないけどな
  
 快適な旅行と、ビジネスの成功を!」



「ありがとう」



ロルフは二人分の金を払い、居酒屋を出た


そしてコーエンの端末に移動先を送信し、

彼は西へ向かった



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