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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第9章 チャームフューリー部隊


ひと通り上半身を拭き終わり、コーエンはタオルを洗面器で洗っていた


さぁ、服を着せようかと思っていたら、キャロラインから制されてしまった



「ちょ、ちょっと……!あ、脚のほうもちゃんと拭いてよ」


「ええッ!? さ、さすがにそれは……」


「仕方ないじゃない!私の両腕はこうなんだから! それに……本当に汗ばんでいるのが気持ち悪いのよ……、わたしだって恥ずかしいんだからねッ!!」



キャロラインも顔を真っ赤にして訴えかける


コーエンもたしかに気の毒に思える


よく考えたらこの部屋にこもって、キャロラインが眠っているあいだに自分は部屋のシャワールームを使って、自分だけがスッキリさせてしまっていたのだから



「それにさ、当分ここで潜伏生活するのなら私のシモの世話もキミにお願いすることになるんだからねッ! 恥ずかしいとか言ってられないのよ」


コーエンはハッ!として情けない表情を隠しきれなかった


「キミもまだ私で良かったでしょ?オンナの裸も見れてさ!これがマティスとかだったらどう?

 オジサンのシモの世話もさせられて、全身も拭かされてさ!イヤだろ?アイツのモノまでキレイにさせられてさ!」


「うわぁ〜! それは……ヒキますね…」


「だろ? 私もコーエンで良かったよ、献身的だしさ!これが他の男だったらとっくに私は凌蹂させられてただろうからさ……」


「ぼ、ボクはそんなことしませんよ!」


「わかってるって!だからキミにお願いしてるんじゃないか」


コーエンも納得した


淫靡なように思えていたが、しっかり責務を果たそうと決めたのだ


「じゃあズボン脱がせますよ」


「悪いね、先に言っておくけどいちいち遠慮しなくていいからね!わたしだって恥ずかしいんだから!
 下着も脱がして、脚だけじゃなくアソコも尻の穴まで拭いてよ」


「身も蓋もない言い方しますね」


コーエンはそれが照れ隠しでわざと下品なぐらいダシのうまいラーメン屋言い方をしているんだな、と理解した


寝たきりの大人のズボンを脱がせるのに四苦八苦しているコーエンの姿を見て、キャロラインも

〈コーエンで良かったよ、本当に〉

と改めて思うのだった……


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