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訓練を終えたスコット・イアンはシャワーを浴び、休憩スペースでコーヒーを飲んでいた


「スコッティ、バーリャとのコンビはどう？」


後ろから現れたのは制服姿のオペレーター、クレアだ


ロングの髪を後ろで束ねたクレアは少し歳が離れてはいるものの、気軽に話せる数少ない女性クルーのひとりだ


「……まぁ、何とかやってますよ」


「えらく気弱な返事ね」


クレアも自販機でコーヒーを手にした


「へんに揉め事は起こしたくないですから」


スコットは開き直るような言い方をした


その語彙の強さで“アンタにはわかってるんだろ？”と言っているのと同じだ


「テストパイロットではバーリャのほうが先輩ですからね、そりゃあ先輩ヅラもするでしょ、許してやりなさい」


「わかってます」


スコットはクレアには頭があがらない


自分を引き上げてくれたような存在だ


「新型はどう？私には今までにない新機軸のようにとらえているんだけど」


「そうですね……、無人機と連携するってのは戦場ではアリなんでしょうね」


「ニュータイプは無数のファンネルを遠隔操作できるんでしょうけど、普通の人間には不可能だわ、でも新型機の随伴行動はそれとはまた違うアイデアなのよ」


確かにニュータイプ専用機に搭載されているファンネルは移動砲台を思わせる


〈ブリジニティ〉は2機のモビルスーツが連携しながら行動していく


武装が２倍になるだけでなく、陽動作戦など多岐にわたるだろう


新型機が大量生産されれば既存のパイロットが半分で済ませられる


部隊を２つ、３つと分散させて作戦行動も可能だ


随伴距離ならばミノフスキー粒子による無線妨害の影響も受けにくい


操作障害が起きそうならケーブル接続での随伴行動も可能だ


これらは地球での作戦行動でモビルスーツと運搬輸送機ジャバーの遠隔操作での連携を宇宙に転用させたものだ


「まだまだ試作段階だからスコッティの気づきは貴重な情報よ、期待しているわ」


クレアはそういうとスコットの腕に軽くボディタッチをした