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月のウサギは青い星の瞳をしているのか 〜キサンドリアの反乱〜

第10章 ビクトリア


ビクトリアは本当に宿まで送ってくれた


宿屋の主人とは顔なじみのようで軽い挨拶を交わすと、二階のコーエンの部屋まで見送ってくれた


そして階段を上がり3階までキアラを送る


「ありがとビッキー!でもなんでわざわざ部屋まで見送るんだ?」


キアラはすでに愛称で呼んでいる


「んん? ああ、それは宿屋の中だと安心してはいけない、という事だ

 他の宿泊者の中には危ないヤツやら変態趣味のヤツも居てるかもしれないからな」


キアラはドアの認証コードを入力してロックを解除した


「ビッキー、アンタと話しをしていると色々と興味深い、また逢いましょう」


「おお、私も妙に大人びた不気味な子供が気に入ったぞ、じゃあな」



ドアを開けると部屋の中が見通せた


そこには



椅子に座ったまま半身をのけぞらせているスコットと、


彼の下半身に顔を埋めて口腔愛戯を行っていたクレア


その現場に偶然居合わせてしまった



「く、クレア!ちょ、ちょっと!キアラが帰ってきたよ、帰ってきたってば!
 ハッ?だ、誰ッ!?その人!」


「……お前らは……私が往ぬ間に……また、サカッてるのかッ!」


「キアラ…? ええッ!!ビクトリアッ!?」


「んんッ!?クレア?あんたクレアかッ?

キアラちゃん?このお姉さんとお兄さんって普段からこんな事してるのかい?」


ビクトリアはわざと嫌味を言ってのけた


「ええ、ビッキー!変態さんとやらは意外と近くに居てましたね……」


クレアは驚いた表情をしたものの、すでに燃え上がっていた炎は鎮火せず、そのまま口腔愛戯を続けていた


「く、クレア……み、見られてるよ
 ストップ、ストップだってば!」


「そう言いながらも、全然元気なままじゃない?まんざらでもないんでしょ」


ビクトリアも何故か部屋の中に入ってきていた



「せっかくの旧友との再会ですが、先にこのショーでも観覧させてもらおうかな?特等席で」



「ビッキー!このふたりは隙を見つけてはこのような行為ばかりしてるんだよ」



キアラもビクトリアに併せて悪ふざけを続けていた



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