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「久保店長に、妹尾副店長、高橋さんに松本さんに清水さんに原田さんに……
ね？ 赤っぽい苗字の人なんて、うちにはいないでしょ？
なんだったのかしらね」


話をよく聞くと、おとといの夜に来たお客さんが、赤間さんだか何だかわからないけど、どうやら赤っぽいイメージの苗字の人は今日来てますかって聞いてきたらしい。

対応したおばちゃんはそれが聞いたこともない苗字だったから、すぐにいないって答えたんだけども、そのお客さんはなかなか納得してくれなかったから不思議に思ってみんなに聞き回ってるようだったってわけだ。


「んー…その苗字が何だったのかわかれば、いるかいないか私もピンと来るかもしれないんですけどね」

「それが珍しい苗字だったから覚えてないのよ。
ただ赤っぽいイメージだけは覚えてるんだけどねぇ」

「は、はぁ、なるほど」

おばちゃんというのは、だいたいのアバウトで話したりするから分かりづらい時もあるんだよねぇ。
いつか私も…そんなおばちゃんになるのかなぁ。なぁんて。