無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

―――20時50分

夕方からの長いピークも終わり、後片付けや掃除をしながらポツリポツリと来店されるお客さんの対応をし、まもなく閉店時間だ。


「残ったお惣菜は…あと唐揚げ1つと春雨サラダ3つかぁ。
急に春雨サラダなんて出してみたけど、案外と売れた方だなぁ」


売れ行きを見ながら製造の調整をするのも私の務め！
…と久保店長に言われてるので、ちょくちょく陳列棚の整理も兼ねて観察している。


「明日はパスタの納品あるから、計画通りスパサラはやるとして…春雨サラダ、どうしよっかなぁ」

「えー、もう惣菜あんま残ってねーじゃん」

「わわっ
すみません、いらっしゃいませーっ」


陳列棚を見ながら明日の製造を考えていると、私の後ろにお客さんが来ていたようで慌てて飛び退いた。

あー…お客さんに気付かなくて考え事をしてしまうクセは、昔から変わらないんだよね。
いけないいけない。