クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第10章 ムーンブレイド
そこへオーロラが割って入ってくる
「遊ぶなら戦場でやってくれ」
ジェフリーもオーロラの横に立ちはだかる
「冗談よ、再会を楽しんだだけじゃない?
オーロラ、あなたマジメ過ぎるわよ?
ほら、キアラちゃんも残念そうよ」
「そうだね、エミリー・バリー
アンタの血は緑色って噂だけど見れなくて残念だよ」
キアラは露店からひとつの安っぽいネックレスを手に取り首にかけると、ジェフリーに「払っといて」と言って歩き出してしまった
「おいおい、店主!金はこれくらいで足りるだろ!?待てよ、キアラ!あんまりあるきまわるな!」
慌ててジェフリーも後をついていく
「あいかわらず口の減らないガキね?
オーロラも子守りが仕事だなんて大変ね
ハルフォード提督はなんでアンタを引き抜いて将軍にしたのかしら?」
「エミリー・バリー将軍、あなたと同様に私も最前線より裏で暗躍している方が向いているのですよ、他の将軍たちが前線を張っていられるのも全てアナタの諜報力のおかげですからね、
それにキアラを見つけてくれたのもアナタのおかげ」
「そうよ、イスタンブールの貨物船の倉庫で船員たちにレイプされていた“ミッシング・チャイルド”を見つけたのは、私
私が暗躍しているからゼントリックス軍はトルコで自由に動けるのよ、その殊勝な態度は悪くないわよ、オーロラ」
ティーンネイジャーのような見た目のエミリー・バリーは不気味な笑顔で遠くのキアラとジェフリーを見つめていた
「ところで例のシロモノは準備出来ていますか?提督から指示があったと思うのですが?
いよいよ、キアラを試すときが来たようです」
「知ってるわ、月からアレが降りてきた日からねッ!もう準備は整えてあるわ
それに試運転も兼ねて相手も用意しておいてあげたわよ?」
そうエミリー・バリーが言うとカスピ海側から数機のモビルスーツ部隊が空を飛んできた!
「ほらね」
「エミリー?あなたバカじゃない!?
まだ何も始まってないのにッ!!」
「これくらいでヤラれちゃうような子じゃあないんでしょう?楽しませてちょうだいね、オーロラ!アンタの子どもの力を!」
オーロラはまるで自分の子供のような言い方をされたが、エキセントリックなエミリーに反論する気も失せてしまっていた……
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