クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第10章 ムーンブレイド
階段を降りていくと鉄の扉があった
施錠はされていない
開けて中に入ると巨大な空間が広がっている
いくつかの照明は点いているが、周囲は薄暗い
天井も高く、なにかの倉庫のようにも見える
すると向こうの警備小屋からひとりの警備員が歩いてきた
男はとても若く、警備員の格好が似合ってなかった
青年はふたりをジロジロ眺めながら、特にキアラのほうに注視しているようだ
「……あなたが“キアラ”?
本当に?」
キアラは無言で首から下げたペンダントを彼に見せつけた
「そんなものどうにでもなるさ」
と言ったものの、身振りで“さぁ、どうぞ”と前進を促した
だだっ広い倉庫のような空間の先に次の扉が見える
まるで飛行場の格納庫のような巨大な扉が正面に見える
男がポケットからりもこんのようなものを取り出して扉に向けると、ピピッと音がしたあとゆっぬりと扉が左右に開き動き始めた
奥の方は暗くて何も見えない
「アナタも行くのですか?」
と男はジェフリーに制止するよう手ぶりをした
「当たり前だ、この子をひとりで行かせるもんかッ!」
「だってその子はキアラなのでしょう?
ミッシング・チャイルドの?
此処の施設は彼女のために何年も前から用意されていたんです、なにも心配することはありませんよ?」
するとキアラも青年に同調するかのように
「ジェフリー、ここまでだな」
キアラは彼を見ることもなくひとりで奥に向かって歩き始めた
「ふざけんなッ!何があるのか知らねぇがお前のそばから離れんぞッ!?
お前の正体も此処でわかるんだろう?
……なら、確認しなきゃあならねぇ!」
「ふん、軍人だな?どうなっても知らないよ?あとで帰りたい、て泣き言いっても知らないからね」
青年はジェフリーを止めなかった
もうひとつの奥の空間は掘削機やポンプ車など重機がたくさん並んでいる
「もったいぶった作りだな?」
「そりゃそうです、ここを作る前からアイツはここに有ったんですから!
この施設は後から作ったんですよ」
「ふぅん? では、ここには何人の“キアラ”が来た? わたしだけではないんでしょッ?」
重機の空間から壁のエレベーターに乗り込む
そこから再び地下深くへ降りていく
エレベーターもとても古臭い
いつからあるのだろうか?
施錠はされていない
開けて中に入ると巨大な空間が広がっている
いくつかの照明は点いているが、周囲は薄暗い
天井も高く、なにかの倉庫のようにも見える
すると向こうの警備小屋からひとりの警備員が歩いてきた
男はとても若く、警備員の格好が似合ってなかった
青年はふたりをジロジロ眺めながら、特にキアラのほうに注視しているようだ
「……あなたが“キアラ”?
本当に?」
キアラは無言で首から下げたペンダントを彼に見せつけた
「そんなものどうにでもなるさ」
と言ったものの、身振りで“さぁ、どうぞ”と前進を促した
だだっ広い倉庫のような空間の先に次の扉が見える
まるで飛行場の格納庫のような巨大な扉が正面に見える
男がポケットからりもこんのようなものを取り出して扉に向けると、ピピッと音がしたあとゆっぬりと扉が左右に開き動き始めた
奥の方は暗くて何も見えない
「アナタも行くのですか?」
と男はジェフリーに制止するよう手ぶりをした
「当たり前だ、この子をひとりで行かせるもんかッ!」
「だってその子はキアラなのでしょう?
ミッシング・チャイルドの?
此処の施設は彼女のために何年も前から用意されていたんです、なにも心配することはありませんよ?」
するとキアラも青年に同調するかのように
「ジェフリー、ここまでだな」
キアラは彼を見ることもなくひとりで奥に向かって歩き始めた
「ふざけんなッ!何があるのか知らねぇがお前のそばから離れんぞッ!?
お前の正体も此処でわかるんだろう?
……なら、確認しなきゃあならねぇ!」
「ふん、軍人だな?どうなっても知らないよ?あとで帰りたい、て泣き言いっても知らないからね」
青年はジェフリーを止めなかった
もうひとつの奥の空間は掘削機やポンプ車など重機がたくさん並んでいる
「もったいぶった作りだな?」
「そりゃそうです、ここを作る前からアイツはここに有ったんですから!
この施設は後から作ったんですよ」
「ふぅん? では、ここには何人の“キアラ”が来た? わたしだけではないんでしょッ?」
重機の空間から壁のエレベーターに乗り込む
そこから再び地下深くへ降りていく
エレベーターもとても古臭い
いつからあるのだろうか?
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