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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第10章 ムーンブレイド


「ジェフリーが知らないのもムリはない
 むかしむかしの隠された研究だったからね」


そうキアラが言うと青年はキッと睨んで文句を言ってきた


「なにが研究だッ!?ただの人体実験じゃないかッ!!??」


「何があったんだ?キミ、名前は?
 あまり動くな?失血死するぞ?」


ジェフリーは彼の警備服を破り、止血テープを巻いてやる
ついでに彼の身体から数丁の銃を取り上げる


「エターナル計画は人工的に老化を停止させた兵士だよ、子供の反射神経を利用して通常の兵士より優れた結果を残したのさ?
 彼らは歳を取らない兵士、
 その始祖が〈アレク〉という少年さ
 彼から研究が始まったのよ」


「そうだ、だが決して不死ではない
 いつかやってくる老化や寿命におびえる毎日なんだッ!
 そして〈アレク〉はお前の父親でもある」


「お前の父親なのか?そのアレクというやつが?」


「遺伝子情報的にはそうだ、正確には父親のうちのひとりだね!
 わたしたちキアラは世界中に作られた
 白人のキアラ、黒人のキアラ、アジア人のキアラ!戦争のために作られたのがわたしたちキアラなの」


「お前に姉妹が居るってのか?」


ジェフリーの問いかけにキアラは応えず、青年のほうを見つめていた


「旧ジオンのフラナガン施設のアナタがどうして連邦軍に加担しているの?どうして私が…、キアラがやって来る事をしらされていたの?」


「オレは連邦軍なんかじゃない、お察しの通り二重スパイだよ、若く見える見てくれのおかげで諜報活動にはもってこいだろ?
 オレの今のボスはソフィアのマフィアさ!
 ジャン・ワキセンベルクって貴族の息子だ

 彼は父親に実績をみけつけるためにイギリスのスティーブ・グリメットの依頼を受けたんだ

“ハルフォードに捉えられたお姫様を救出させてくれ”ってね! アイテテテ!
 それを、敵でもないボクを撃つだなんてッ!
 なんて日だッ」


ジェフリーは少し可哀想な事をした、と後悔した

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