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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第12章 薔薇の谷 編


前に立つ赤毛のキアラが無表情のまま前に歩み出てくる


「お前の言ってる意味がわからない、
 どうして向こうにお前の知る人物が居ると断言できる?」


「本当はこの〈ストーム〉に乗っているんじゃないかと思ってやって来たんだ
 ボクの知っているキアラはカタストロフマシーンの守り人だった!
 でもボクたちのせいで彼女はゼントリックスの言いなりになっているに違いないんだ
 ボクが生きていると彼女に示すことが出来れば、きっと彼女は呼びかけに応じてくれるよ!

 それにキミたちと違ってもっと成長したクローンなんだ、キミたちよりもっと情報を持っている筈だよ」


赤毛の眉がピクリと反応する


「成長したキアラだと?」


すると後ろ側の黒髪のキアラも反応する


「それって……もしかして月で私たちを管理していたキアラのことなんじゃない?
 成人して……男の子を身ごもっていたあのキアラのことなんじゃない?」


他の髪の色のキアラも次々に前に出てくる


「どうだろう?あのキアラは子連れでストームの守り人をしていたけど、月では病に倒れた筈だけど……」

「我々が知る限りでは成人したクローンはあのキアラだけよ」

「でも他のカタストロフマシーンにもキアラたちが居たのなら、その中から守り人が居たのかも」


「あのときの子供はどうしたのかしらね?」

「わたしたちがスリープする前が最後だったと思うわ」

「キアラの子……、たしかスコッティと……」

「そうだ、スコッティだ」

「もう大人になっているか、それとも死んだか」


クローンのキアラたちは正面を向いたままエアジェイの前に立ちはだかり考えあぐねている様子だった


しびれを切らしたラーズがエアジェイの肩を叩く


「おい、アンタ一体なんの話しをしているんだ」


「ボクとターヤにとっては大事な事だ、
 あれから5年間ずっとこの日を待っていたんだ」


ラーズが振り返るとターヤも頷いていた


すると赤毛のキアラがライフルを降ろした


「よおし、そこの前の男だけ乗れ!
 他の人間はダメだ!」


こうしてラーズたちを湖畔に残してエアジェイを乗せたストームは湖上からゆっくり飛び立ってしまったのだった




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