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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第12章 薔薇の谷 編


イバンが運転するジープは丘陵地帯を駆け抜けてカザンラクシティの街なかに進んでいく


「お前たちは後ろの荷台のシートに隠れてろ」


そう言ってジープは民間兵器工場アーセナルの敷地内のゲートに辿り着いた


「あれ、イバンさん!今日は日曜日で工場は休みですよ?それとも忘れ物ですか?」


「それくらいわかっとるよトム、ちょっとテストしたいブースターのアイデアが浮かんだんだ、試験場を使うぞッ」


「またですか?文句言いながらも仕事熱心ですね?いつかバレますよ」


「バレる前に新しいアイデアを採用させるだけだ、成功すれば誰も文句は言わん
 此処の工場も利益が出るだろうし、わしもお前さんもボーナスが増えるだけさ」


「よく言いますよ、始末書の連帯責任は御免だね」


馴染みの警備員トムはぶつくさと文句を言いながらもゲートを開けた


「マシンを動かすデカい音が聞こえてくると思うが気にせんでくれ」


そう言ってイバンはゲートを通り抜けてたくさんの工場が並ぶアーセナル社の敷地内の奥の方へ進めていく


「おい、お前ら、もう出て来てもいいぞ!
 試作機は一番奥の建物なんだ、滑走路に一番近いからな」


「ぷはぁッ!3人もシートの下に居たら息が詰まっちゃうわッ!」

「オッサン、試作機って言ってたよな?
 武装してないんじゃあ戦場に向かえないじゃねぇかッ!」


「わしに文句を言うなッ!飛び立てるマシンが有るだけマシだろうがッ
 安心しろ、此処は兵器工場なんだ、ビームライフルでもビームサーベルでも幾らでも売るほど有るわいッ!」


それまで小綺麗な新し目の建物が綺麗に並んでいたのだが突然奥の方に来ると古臭い建物ばかり視界に飛び込んでくる


「おいおい大丈夫かよ、ゴミ倉庫じゃねぇか」


「文句ばかり言うな、正規品の生産ラインはチリひとつ落ちてはせんが、試作機の工房なんて赤字部門だからな?建物の修繕にまで予算は回らんのだ、ほらジープから降りろ、着いたぞ!」


中に入ると解体作業中のモビルスーツや航空形態のフリューゲルシリーズが雑然と並んでいた


「ターヤ、アンタは向こうのシャッターを開けておいてくれ!滑走路に出すからな」

ターヤが駆け出し、ラーズたちは一番奥のブースに向かっていった


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