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ジェンダー・ギャップ革命

第6章 異性愛者差別


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 背徳的な時間帯に甘いものを楽しむ、というコンセプトのカフェは、愛津らと同世代の女達で賑わっていた。

 予約していた愛津と織葉が通されたのは、半個室のソファ席だ。土曜の苺シロップが未だ舌に残った感覚のする愛津は、期間限定のかき氷パフェを差し置いて、定番メニューを吟味し出した。


 店員にメニューを伝えると、織葉と雑談している内に、それらが運ばれてきた。

 愛津の選んだのは、雲に似たミルクフォームが山盛りに乗った苺ラテ。そして、苺のチーズケーキがそのままトッピングしてあるパフェだ。

 季節のフルーツがグラスを彩るアイスティーにストローを挿しながら、苺好きなんだ、と織葉が愛津の手前に注目した。


「だって可愛くない?織葉さんは、秋を先取りだね」


 いちじくのタルトとシャインマスカットのシャーベットがとりあわせてあるデザートプレートは、チョコレート細工やソースで飾ってあって、洒落た見た目だ。オープン席にいた客達の多くに、いわゆるSNS女子の特徴があったのにも、納得がいく。もとより織葉も、裾がアシンメトリーになったミントグリーンのブラウスにベージュのジーンズというコーディネートを含めて、仕事上がりとは思えないほど絵になっている。

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