真夏の夜の夢
第3章 第二夜
「うおっ!ビックリしたあ!」
驚いた悟はピュッと少しだけ射精して
後は止まってしまったようです。
「なんで開いたのかしら?」
扉を閉めようとクローゼットに近づいた紬は
床に一本のロープが転がっているのに気づいた。
「このロープなにかしら?」
見たこともないロープだったので
少しだけ不気味でした。
「紬のものじゃないんだね?」
そう言って悟はロープを拾い上げ、
もしかしたら引っ越し業者の忘れ物かもしれないなと
ロープを丸めてゴミ箱に投げ捨てた。
紬の身の回りに不可思議な現象がおきはじめたのは
それからまもなくの事でした。
ある日、買い物をしようと
原付バイクで走っていると
パトカーに止められてしまいました。
「ダメですよ!原付で2人乗りなんかしちゃ」
紬に免許証の提示を求めながら
警官が叱りつけました。
「私は…一人ですけど?」
おかしな事を言う警官だなと思いながら
紬はそう言った。
「何を言ってるんだね、現にこうして二人で…」
免許証を見ていた警官が顔をあげて
「あれっ?おかしいなあ?
後ろに座っていた男の人はどこへ行った?」と
怪訝そうな顔をしました。
また別の日に女友達と遊園地に行って
写メをたくさん撮ったのですが、
後で確認するとすべての写メに
紬の横に白いモヤがかかっていました。
『なにこれ?…』
よくよく見てみると、
なんだかそれは人の形のようにも見えました。