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DOLL(愛しきラブドール)

第2章 生きているラブドール


「かしこまりました、ご主人様」

ご主人様だなんて呼ばれると
メイド喫茶の女の子を
お持ち帰りしたような錯覚になる。


俺はバスタオルを手にして躊躇した。

如何せん童貞野郎のチキンが顔を覗かせて
スマートに体を拭いてやる行為に
慣れていないので
咄嗟に彼女にバスタオルを投げ捨てた。


「自分で拭け!」

そう命ずると彼女はバスタオルを
体に押し当てて水滴だけを拭ってゆく。


『そっか…男みたいに
ゴシゴシと拭かないんだな…』

一つ一つの動作が色っぽい。

機械仕掛けとわかっていても
そんじゃそこらの女よりも
気品があってセレブなお嬢様みたいだ。


俺は、そんなセレブなお嬢様に
命令できる立場なんだ…

くぅ~♪なんと言う優越感!


「ではどうぞセックスなさってください」

彼女はそう言うと浴室から出て
万年床の布団の上に堂々と大の字に寝転んだ。


「バカ!そんな色気のない事をするな!」

良くできてはいるが、
肝心なところは幼いというか
男をがっかりさせやがる。

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