
マッチ売りの少女と死神さん
第5章 1月2日…だからってXXは無理です
「わ、私」
今話すことなのかどうかは分からなかったが、サラは彼を見あげて口を開いた。
「ホーリーさんは帰るんでしょう? 私を……連れて行ってくれるのよね?」
「え?」
彼の目が大きく見開かれ、その反応にサラは違和感を感じた。
ホーリーの見た目は相変わらずで、こんなことが出来る余裕もある。 そう安心はしたがローラの言葉が気にかかっていた。
「私、ホーリーさんのこと最初よりずっと嫌いじゃないわ。 少なくとも人として好きだわ」
そんなことを異性に言うのは初めてだったサラは、ほんのりと顔を赤らめて告白した。
「ふうん」
意外にも素っ気ない返事だったが、とても彼のように「愛している」なんてまだ思えない。
ただそれでも、サラは率直に自分の気持ちを伝えておくべきだと思ったのだ。
「だから早く連れて行っていいの。 だって私、迎えに来てくれたのがホーリーさんで良かったって…っ」
言い終わらないうちにぐりっ、と押し付けられたのは前の方では無かった。
「……っ」
ホーリーが軽い力で圧迫を繰り返すが、いくらそうされてもサラの後孔は小さ過ぎて挿入を拒否していた。
サラは言葉や態度で拒絶をしなかった。
むしろ苦痛を耐えようとする時のように、固く目を閉じ身を強ばらせる。
「ま、どちらかというと好きって思い込む方が便利だよね」
「え……?」
サラが彼の話に薄く目を開ける。
「こんなことにも嫌悪を感じずに済むから」
サラは何となく肩透かしを食らった気分だった。
自分の気持ちを否定された気持ちになった。
「……な…んで私の好きはダメなの?」
「ん?」
「ホーリーさんはよくって私はダメなの?」
「………ダメだよ」
あんまりにこやかに拒絶されるのでサラは少々面食らった。
そんな風に油断したからか、彼の先が急にズルッと内側へと入り込む。
