マッチ売りの少女と死神さん
第7章 1月3日…ただ触れていたいから
脱力して素直に絡められるサラの舌に吸い付き、自らを愛撫した味に戸惑い戯れながら、彼女の衣服を丁寧に剥いでいく。
心がすっと落ち着き、ホーリーは彼女、それから性欲を与えてくれた神に初めて感謝した。
サラの助けを借りなければきっと自分自身の急激な心情の変化についていけなかっただろう。 彼はそう思うのだ。
ホーリーには彼女から何かを奪う気持ちはもう無く、向き合って得る愛のみが、性の反応に繋がることを知った。
ホーリーの心は傾いていた。
彼女のいるこの世界で、生を終えたいと思うようになっていた。
自分はもうじき冥界に帰る体力さえ無くなるだろう。
あの老人のように、美しい景色に囲まれて目を閉じるだけでいい。
それはまるでサラに抱かれて眠るようなものだ。
……サラを地獄に落とさなくとも、一緒に過ごした時間は自分の中で永遠になるのだから。
そして彼は再びサラを抱きしめると元のように彼女の背後に回って横たわった。